選択されているタグ : 津軽弁 , おいしいもの , 異文化理解

「津軽弁はなぜ究極一文字にまで短縮するのか問題」を考えた

最短スイーツ「わ」と最短日本酒「ん」

最短スイーツ「わ」と最短日本酒「ん」


日本の方言の中でも、習得の難易度が高いと言われている「津軽弁」。

つい先日も、弘前で「息子が使う津軽弁と違う」と気づいた母親が、いわゆるオレオレ詐欺を見抜いて通報したというニュースがありました。


弘前に移住してもうすぐ5年になるわたしも、多少ヒアリングができるようになってきたものの、まだまだ年配の方に本気でしゃべられるとわからなくなります。

先日も道で寝てる酔っぱらいのオッチャンに話しかけたのですが、酔ってるし歯はほとんど無いしでサッパリわかりませんでした。

北海道は隣ですから、ちょっとは共通の方言もあるんですけどね…。

中でも、津軽弁の大胆な短縮ぶり! 面白いです。

1文字で表しすぎる津軽弁と、その理由を考えてみました。

「君の名は。」→「な、だだば」

津軽弁、様々なことを1文字にまで縮めます。時短なの!?

「わたし」→「わ」
「あなた」→「な」
というのはだいぶ有名になりましたね。

「君の名は。」を津軽弁にしたバージョンでもTwitterからテレビで紹介されていました。

便乗グッズ作って売ってる人もいるーーー!!

津軽弁ハイコンテクストすぎる…

一文字に略すだけではありません。

その一文字に複数の意味があります。

例)「け」→「食べなさい」「かゆい」「ください」

同じ「け」でも全然違う!

これを前後の文脈やその場の流れから判断しろとか、ハイコンテクストすぎるだろ津軽弁…。

青年団の全国大会演劇部発表でのできごと

わたしが東京で劇団のスタッフをしていた頃、日本青年団協議会の全国大会の裏方というアルバイトをしたことがあります。

全国各地から選抜された青年団の演劇コンテストの裏方です。

そこで、それぞれの舞台発表が終わった後、審査員の方々が別室で審査をしている間、マイクスタンドが舞台に置かれて、青年たちが自由にそれを使ってよい(黙認)というお楽しみタイムがあったのです。

その年は、九州地区(どこの県か忘れました)の青年がまずステージでマイクを取って、にぎやかに喋ったりエイサーを踊ったりしました。

そして、「はい、北の方の人たちもーー!!」と東北グループから青森県の青年団を呼び、ステージに上げたのです。

明るいラテン系なノリの九州男子と逆に、青森男子はぶっきらぼうで重厚感。

そこで彼らが披露したのは、津軽弁コント。

A「どさ」(どこ行くの?)

B「ゆさ」(お風呂)

A「だぃと?」(誰と?)

B「な」(お前)

A「わ!?」(俺と!?)

…途中忘れましたが、最後は「へば」(じゃあね)と別れるまで10秒くらいのコントでした。短っ!!

九州男子「ちょっとちょっとちょっと!! なんでそんなに短くするの??」

青森男子「寒いから、口あんま開けると雪入るから」

えーーーー!?

いや、普通に北海道の方が寒いんですがそれは

北海道出身のわたし、のけぞってしまいます。

ええ、寒さに関してはこちらの方が上、いや下です。
道北・道東は氷点下20度以下も普通にいきます。

地吹雪だって珍しくありません。

しかし、北海道では「わ」とか「な」とか、「け」とか、極限まで略したりしません。

「寒いから」だけじゃないですよね??

極限まで省略できるほどに濃い関係

北海道は全国から開拓に入って町を作ってきました。

同じ町でも隣りの地区は他県からの入植ということもあります。

先住民族のアイヌとの関わりもあります。

戦後は大陸から引き揚げてきた人々も(わたしの祖父母のように)入ってきました。

異文化が混ざり合う中で、そこまで煮詰めた言葉は通じなかったことでしょう。

「あ・うん」ならぬ「わ・な」では通らない。

逆に津軽では、それだけ少ない言葉でもわかる、文脈が通じるほど関係が濃いということがあったのではないでしょうか。

特に文献などを元にしていない、個人の考えですが。

南部弁のエリアも、中央からの行き来などもあって、そこまで煮詰めて短縮されなかったのでは、という仮説ですがどうでしょう。


日本で1番短い名前のスイーツとお酒も津軽から


タイトル画像に登場していたのは、こちら。

弘前のお隣、大鰐町の温泉施設「鰐come(ワニカム)」のプレミアムスイーツ「わ」です。

バニラソフトクリームにマルシチ醤油と黒糖のジュレがかかり、ポン菓子のマカロニドンが刺さってます。

なぜ、「わ」なのかは不明。

「わたし」のわなのか、マカロニドンが輪だからなのか……。

息子「鰐カムの『わ』じゃない?」

それか?!

こちらは、「豊盃」が有名な弘前の蔵元・三浦酒造の日本酒「ん」

弘前さくらまつりに北海道から両親が来た時に、焼き鳥屋「鳥仁」で季節限定の生酒を出していただきました。

なんでしょうかね、おいしくて「ん!」とうなっちゃうんですかね。

息子「とりじんの『ん』じゃない?」

そっちーーー!?

【関連記事】




Facebookはこちら