弘前藩士の心と技~武士魂が予想以上にアツかった!

「武士魂」会場の武家屋敷入り口

「武士魂」会場の武家屋敷入り口


弘前公園からほんの少し北に歩いたところにある伝建地区・仲町(なかちょう)で開催された「弘前藩士の心と技 武士魂」に親子で行ってきました。

昨秋に夫と2人でここを訪ねてから、夫はこのイベントを楽しみにしていたようです。

行ってみたら、1時間の中にギュッと武士の心得と技、武家屋敷の構造などが詰まっていて、とても心躍るイベントでした。
これは刀剣女子必見!だったのだけど、もう1日限りで終わってしまったので、その様子を写真でお伝えします。


弘前には武士も歩いています??


有料駐車場に車を停めてまっすぐ交差点に向かったら、向こうから武士がやってきまして…。

ええ、自分でも何を言ってるのかと思いますが、甲冑姿の侍です。
先日のわたしたち夫婦のなんちゃって甲冑とは違います。


遠くに見える甲冑姿

遠くに見える甲冑姿


これから始まるイベントのチラシ巻きに弘前城を目指していたようです。
弘前すごい。
道を歩けば魔女がいて、プロレスラーがいて、武士がいる街。


この通り、なにげに電柱の地中化だけではなく、石畳になっていましたね。
半年前に来た時と風景が違う気がしました。


解説も実演も盛りだくさんでした


弘前にのみ伝わる剣術・卜傳流(ぼくでんりゅう)を伝える小山隆秀さんより、武士の衣装から歩き方、作法、心得について実演を交えて解説されました。

武家屋敷も玉砂利を敷いているのは音が立つから外部からの侵入者がわかるように。
生け垣は防衛の人が潜み槍で侵入者を突けるように。
内門をくぐる時の足元が高くなっているのはそこで歩幅を変えさせて隙ができるように。
実はこのような要塞としての機能を持っているそうです。
昨年ただ見に来ただけではさっぱり気づかなかった!


角を曲がる時も、そこに潜む者がいるかも知れないから、大回りをして曲がる。



大回りをすれば、このように隠れている者も見つけることができます。

「では、皆さんも角を避けながら次の場所へ移動しましょう」


生け垣の影に忍び

生け垣の影に忍び

しかし、こわがって説明を見ていなかった息子、角を曲がろうとするわたしに一直線に走ってきて、内角を曲がった瞬間、刀をふりかざした忍者に遭遇!
「キャーーー!」
と叫んで15mほど逃走、夫の後ろに隠れたのでした。まぁ、びっくりしたわね、そりゃ。


戸をくぐる時はご用心


武家屋敷に攻め込むのなら、ただ真っ直ぐ行ってはいけません。

高くなった敷居をまたいで中に入った瞬間!


従者によるNG例

従者によるNG例


左右から足と首を同時に狙われます。
これは棒ですが、もしも薙刀だったら…。

そんな時の1つの戦法。


獅子の洞入り

「獅子の洞入り」


袴はたくし上げて足さばきをよくし、鞘を背負って首を守りつつ、刀を手にして足への攻撃を防いで駆け抜けます。
こんな風に、解説も実演も当時の戦の考え方、工夫が伝わる現実的な内容でした。
時代劇とは全然違うものですねぇ。

そして、刀の解説から試し切りの演舞。
ゴザを巻いて一晩水に浸けたものを、スパッと一刀両断です!


試し切り演舞

試し切り演舞


ちょっと、我ながら奇跡的な瞬間にシャッター押してましたね。

屋内での作法と攻防の解説も

訪問した場合の、「敵意はありません」を示す為の作法の数々。
刀の持ち方、預け方、持って入った場合の置き方など、間違えれば斬られても文句は言えないという武士の心得。

逆に、実は打ち掛かろうとしていた場合の、屋内での攻防について。



こちらも実演たっぷりでした。柔術や居合いもありましたよ!


お酒を勧められた時のかわしかた

お酒を勧められた時のかわしかた

もしもお酒を勧められた時、武士は飲み過ぎていざという時に遅れをとってはなりません。

失礼のないように断るには、盃を高く上げて注ぎにくくします。
そして、返杯はどんどん注いで相手に呑ませましょう。
という、学生や社会人の新人歓迎会にも取り入れたい武士のライフハック。勉強になります。


再び屋外で三つの流派の演舞を観覧


卜傳流剣術

卜傳流剣術

當田流棒術

當田流棒術


林崎新夢想流居合

林崎新夢想流居合

再び屋外に出て、卜傳流剣術、當田流棒術、林崎新夢想流居合いの演舞が披露されました。

イベントの協力に卜傳流剣術保存会、武術研究稽古会修武堂の名が連ねられています。
また、弘前大学古武術研究会の学生さんたちも参加されていました。

そう言えば、子どもの頃、弘前出身の祖父が居合いをやっている姿を見てあの刀が怖かったなぁと、後ろに隠れてなかなか出てこない息子を見ながら思い出していました。


BGMの尺八は生演奏でした

BGMの尺八は生演奏でした

このイベント開始前から、ずっとBGMに尺八の音色が流れていたのですが、なんと生演奏でした。

根笹派大根笹流錦風流尺八(県技芸)とチラシに書かれていました。すごい贅沢なBGM…。

この写真は、開始前に屋敷内を探検していた息子が、庭側の戸を開けた時に「人がいる!」と知らせてきたときのものです。


Periscopeで動画配信していました


このところはまっているPeriscopeでイベントの様子を動画配信していました。

回線事情や子どもの対応のため、何度か中断しています。

Periscopeの動画、24時間後には自動的に消えるので、5日の13時~14時頃には見られなくなると思います。
気になる方はどうぞ。

イベントは終了しましたが刀剣ツアーが控えています

このイベントは1日限りでした。
今までの活動実績を見ていると年に1回、この時期にやっているみたいですね。

知らなかった! 興味ある! 剣術見たい、できればやってみたい!

そんなあなたには、たびすけさんの刀剣ツアーが5月28日(土)~29日(日)にあります。

前回の様子とか楽しそう過ぎるので、参加できる刀剣好きな方はぜひ。うちは子どもが逃げるので、参加できません…。

いや、しかし楽しかったです。

家の構造も、武士の作法も、すべてに理由があってこうなっているということがよくわかりました。

普段から武家屋敷含む仲町の公開はされているので、弘前に遊びにいらした方はこちらも散策してみてください。

中には小山さんのご実家のように普通に暮らしている現代人もいますので、その混ざり具合が不思議な感覚になる地区ですよ。


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