渋滞・迎え火・法界折り……お寺の街弘前のお盆は面白い
「卍」が市章の青森県弘前市はお寺がたくさんある街です。
宵宮と同じく、人口がもっとある青森市、八戸市より多いぐらい。
特に西茂森の禅林街は曹洞宗の寺院が通りに沿って33院も並んでいて、このお盆の時期に大渋滞を起こしています。
上の写真は今日お昼頃の禅林街ですが、この通りの左右にずらっとお寺が並び、それぞれのお寺の敷地に墓地や納骨堂があるのです。
ほとんどみんな路上駐車なので、2台の車がすれ違うのもやっと…。
これほどお寺が、しかも同じ宗派が密集して建っているのも、なかなか無い光景です。
合理的に風習を省いてきた北海道育ちのわたしからは、ここのお盆は大変だけど面白いこともあります。
そんなお寺の街・弘前のお盆の様子をお届けします。
迎え火・送り火もよく見られます
これは北海道の方が異色なのでしょうが、わたしはお盆の時期に迎え火や送り火を炊いたことがありません。
また、周りの住宅でもほとんど見かけたことがありませんでした。
ここ弘前では、よく見られます。
お盆の時期は、スーパーの入口にもお盆用の細めの薪が山積みで売られています。
昨夜も、家の前で迎え火を炊きながら、子どもたちが花火をしている場面が見られました。
だいぶ少なくなりましたが、今もナスやキュウリに割りばしを刺したおうまさんを飾っている姿も見かけます。
最初に見た時は、しみじみと「日本のお盆らしいなぁ~」なんて思いました。
北海道は、やる地域はやっているのかもしれませんが、わりと合理的に風習をカットしてきている傾向があります。
隣近所と出身地が違えば文化が違うということもあるでしょう。
法界折り(ほうかいおり)を供えます
弘前ではお墓参りの時に、「法界折り」という折詰めを供えます。
読みは「ほうかいおり」が多いようですが、夫は「ほっかいおり」と言っています。
精進料理やお菓子などを詰めたもので、この時期になると普通にスーパーでも売られてます。
もちろん、お節料理と同じように、各家庭に伝わる法界折りづくりをしている家庭もまだまだあります。
上の写真は、弘前の友人Eさん宅の法界折りで、お母様の手づくりです。
お家の仏壇用とお墓にお供え用だそうです。素敵な色合い!
法界折りは数年前にケンミンショーで紹介されていて、初めて全国的ではない風習であることに気づいた人も多いようです。
夫「他では何を供えるの?」
わたし「いや、普通にお花とか、果物とか、好きなお酒とか供えてたよ」
夫の家はしないのですが、墓前でそのまま法界折りを食べる家・地域もあります。
Eさんも小さい頃は、お墓の前で集まった親戚方と法界折りを食べていたそうです。
お供えしたものは持ち帰ってはいけないという風習があったのですね。
今はカラスに荒らされたりするので、お供えは持ち帰るルール。
これは北海道でもそうなっています。
お墓の歴史がなにげなくすごい
墓石の裏に刻まれている年号が「寛永」とかあったりしてびびる。370年も前とか。
北海道の墓地なら開拓後に作られているので古くても明治、多くは昭和だ。
— さいとうみかこ(うらべっち) (@urabetti) 2015, 8月 12
局地的渋滞が発生します
お墓参り行ってきました。弘前は江戸時代からの寺町が今もあり、この時期はものすごい渋滞します。15分で行けるところに一時間近くかかったりします。北海道では郊外に駐車場が広い墓地があり、お寺とは別になってたので歴史ある街とのギャップを感じます。
Posted by 斎藤 美佳子 on 2015年8月12日
地図の赤い部分が渋滞しています。
現在地(青丸)は渋滞してないように見えますが、1分で10mくらい進んでいたかどうか…。
とにかく、この時期の寺町方面はすごい混み具合です。
禅林街のGoogleMapです。ひたすらお寺が並んでいる様子がわかるでしょうか。
この通り沿いに出店も少し出ています。
さらに、お盆の時期に集まる親戚たちをもてなす為に、お総菜や野菜・魚介類が充実している「虹のマート」付近で、こんな渋滞も。
お盆名物虹マ渋滞。
駐車場が満車だから路駐する気持ちも分かるけど、この道路幅で両側に停めるのはやめて欲しい、、、
そして入ってきた車は早く通り抜けて欲しい、、、
てか通る道路間違えたorz pic.twitter.com/aWHkHi8Otr
— pinkuma (@pinkuma63) 2015, 8月 12
お墓参りの後に食事に行く人も多く、蕎麦屋さんの駐車場は満車。
わたしたちはかなり離れた城東の丸亀製麺に向かいましたが、店の外まで人が並ぶ程混んでいました。
逆に、お墓参りと関連が無い地域は車も少なく、大人しい雰囲気になっていました。
個人のお店はほとんど休みになっています。
あ、そう言えば、盆踊りは一応、町会(町内会)でやってるようですが、あまり大きくはないですね。
やはり、ねぷた祭りで力を使い切っているんでしょうね。
そんな風に、昔から伝わる風習を残す津軽のお盆。
ここに住んでいる人も、帰省して来る人も、楽しい語らいのひとときを過ごされていることでしょう。
さて、お墓参りが終わったら、北海道の実家に帰省してきます。
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