わたしたちは文体で人を選ぶし、選ばれている
先日、ある著名人の文章を読んでいて、感じたこと。
「書いていることには賛同できるけど、文章に共感できない」
別に煽り文句を書かれているわけでもありません。
内容は社会的な問題を扱っていて、独自の視点があり、「なるほど一理ある」と思います。
でも、文章を読み続けると、どうにも気持ちが落ち着かなくなる。
中高生向けの著書を出している方だったので、図書館で借りて読んでみたけど、どうにも読み進められず、結局そのまま返却しました。
どうやら、その方の文体は自分に合わなかったようです。
書いている中身よりも、その文体の方が、人を選ぶし人に選ばれることがあるよね、というお話し。
例えば作家の村上氏をあげれば…
わたしは、村上龍氏の作品は過去にいくつか読みましたが、村上春樹氏の作品は1冊読んで文章の雰囲気が好みではありませんでした。
逆に夫は、村上春樹作品は読めるけど、村上龍作品は苦手だと言います。
わりと好みが似ている方の夫婦ではありますが、村上作品に関しては真逆でした。
それは、たぶん作品のテーマが、ストーリーがどうということではなく、文体が肌に合うか合わないかの好みの世界です。
文体の好みが合わない人には選ばれない
このブログも記事が200本を超えました。
いつも文章が長くなりがちで、記事のジャンルも雑多ですが、毎日見てくれている方がいます。
では、このブログが「集客」に成功しているのか?
というと、そうでもないのです。
どちらかと言うと、「わたしの文体に合わない人が避けてくれる効果」の方を実感しています。
これだけ毎日長めの文章を書いていて、それを読んだ上で呼んでいただいたり、集まっていただけるという人は、だいたいわたしのどこかに共感している人です。
そして、そのベースには文体が嫌じゃないということがあるはずです。
内容以前に、まず文体が苦手だったら読みつづけられませんから。
「文体」は、付け焼き刃の知識でどうにかなることではなく、それまで話したり書いたり読んだりしてきた蓄積です。
相性が合う人と出会える、会わない人には避けられる、ということが、ブログを毎日書きながら実感している効果です。
…だから、「集客できるブログ術」のセミナーをする方向に考えがいかないのですね。きっと。
店舗だって雰囲気でお客様を選びますよね?
これは全然高飛車な話しではなくて。
ブログの話しから外れれば、リアルな店舗での商売でも、外装・内装・配置・音楽・空気・店員の立ち居振る舞いや言葉づかい、そういったことで来店するお客様を選んでいます。
Tシャツにくたびれたデニム、買い物帰りのエコバッグを持っていても寄れるお店なのか、きちんとした服装をして生活感を出さないバッグを持って背筋を伸ばして入るお店なのか。
シンプルなのか、デコラティブなのか。
古風なのか、斬新なのか。
どんな人に来て欲しいかを店舗は様々な方法でアピールしているし、それをうまくキャッチした人が好みのお店を見つけて幸せになれる。
誰に、どんな時に、誰と来て欲しいか。
それを、店舗の経営者や責任者の方はビジョンを持って発信していますよね。
ここで、間違ったアピールをして誤解した人が集まると悲劇が起こるわけですが、それはさておき。
ペルソナはいつも変わります
よくビジネスの研修の場で、「仮想のターゲットのプロフィール=ペルソナを設定しよう」という事が言われます。
こんな感じですかね。
A美:30代前半の既婚女性。会社員の夫と3歳と0歳の子どもとの3人暮らし。住まいはマンションで、下の子が1歳になったら求職活動をしたいが、保育園探しに不安を感じている。
もっと細かく設定していることもありそうです。
そうしていくつか設定した人物に、どうアプローチをしていくかというお話しを聞いたりします。
で、わたしはブログを書く時に、全然こんなペルソナの設定をしていないのです。
まず、「これをあの人に伝えたい」という思いがあって、その時に顔が浮かんでいる友人や知人がいます。
そうして書いていたブログが、後に「あれは自分のことかと思った」「自分も同じ事を考えていた」という別の人と出会うきっかけになっています。
だから、あまり広告を出したり、飛び込み営業をしたり、電話営業をがんばったり、という形ではなく、自分が選ぶ言葉を気に入ってくれる人と出会う方法としてブログを書いています。
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しゃべるよりは書く方が得意なわたしですが、SNSの疑問シェア会ではしゃべってます。
「話す」を「しゃべる」と言いがちなのは、津軽弁の特長ですよね。
前回より時間にゆとりを持ちましたので、もうちょっと対話形式もできそうですよ。
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さて、明日はカリスマブロガー・はあちゅうさんのお話しを聞いてきます。楽しみ!
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