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育休からの復帰後、差し替えのきく職場を選んだら…

産休中に歩いた札幌の散歩道

産休中に歩いた札幌の散歩道


前からうすうすと感じてはいたけれど、「かあさん部長」矢野りんさんと語り合う会で確信したこと。

小さい子どもがいながら働くことが不安で、いつ休んでも許されそうな職場を選んでいたけれど、それは自分で自分の評価を下げてしまうことだったな、と。

好きなだけ仕事していたフルタイム勤務時代

コールセンターと劇団員の二足のわらじを履いていた時は、1年のうち9割はフルタイムで電話オペレーター、1割は舞台の音響オペレーターの暮らしを切り替えながらしていました。

コールセンターでは10時~19時が定時で週5日勤務、残業する時は1日1~2時間くらいでした。
月170時間はコンスタントにシフトが入っていて、3カ月ごとの契約更新がありましたが社会保険にも加入していました。

それだけ真面目に働いていたのは、舞台の仕事の時には1カ月でも2カ月でも休ませてもらえたことが大きかったですね。
時給も2003年当時の札幌で900円~でしたし。

だから、融通きかせてもらっている分、正社員以上にコストパフォーマンスのよい人材であろうとはしていました。

そうじゃないと、旅から帰ってきた時に戻れなくなりますから。

妊娠がわかってからは、17時終業にして月100時間以内に調整、社会保険は抜けて夫の扶養に入りました。

産休に入る直前に雇い止めされそうになるなどバタバタしたけれど、どうにか産育休を獲得。
11月下旬に出産して、翌4月から復帰しました。

時短パートタイムになって

受託型のコールセンターの仕事というのは、まずクライアントと契約したブース数を稼働させることが最低限のスタートライン。

だから、欠勤・遅刻・早退には厳しい職場です。

多めに人員を確保していればいいのですが、どこも低コストにしているのでギリギリに配置されていて、イレギュラーがあると上司や他部署の人も電話を取ったりします。

産後に復帰した時は、それまでと同じ部署ではなく、バックヤード的な業務の部署になりました。

データの入力の速さ、正確さ、文書を読む力が必要とされる場ではあったけれど、どちらかというとわたしのように子どもが小さかったり、健康に不安があったり、電話対応が苦手だったりする人がいました。

慣れない仕事、新しい生活リズム、片道1時間近くかかる通勤と初めての0歳児育児。

何度も「もうダメだー!」と悲鳴を上げていたのに、さらに追い打ちをかけていたのは、
「早く帰れていいな~」という同僚の声でした。

夫の転職が決まって、わたしも足掛け9年お世話になったコールセンターを退職。

弘前に移住してから職探しを始めたのですが、このあたりにはコールセンターや劇団の経歴を活かせる勤め先は無く、一般事務職は時給700円でも倍率10倍以上。

40歳近いけど子どもは3歳だし、
送り迎えできる時間に帰らなくてはいけないし、
資格もたいしたものは持っていないし、
そう考えると、自分を雇ってくれるような会社など見つからないような気がして、かなり焦りました。

だから、「求人セット型職業訓練」という、結果として雇われなければ報われないような条件の求人に応募して2ヵ月間、日給500円の「職業訓練」を経て雇用された職場にしがみついてしまいました。

コールセンターも相当ブラック寄りだと思っていたけれど、本当のブラックはさらに黒かった…。

それでも、40歳近いけど子どもは3歳だし、
送り迎えできる時間に帰らなくてはいけないし、
資格もたいしたものは持っていないし、
と、なかなか辞められなかったのです。

もっと早く自分でやろうとしてもよかった

わたしも夫も、その親兄弟も、みんな勤めていたから、職探し=求人情報を探すことだったけれど、自分で自分のできる時間帯・エリアで、仕事を作っていく道もあったのでした。

単純に、「○○ができる人」だけだったら「○○ができて休まない人」「○○ができて若い(=伸びしろがある)人」「○○ができて残業ができる人」にとって代わられるのです。

あるいは技術が進んで「人」が必要ではなくなるかもしれません。

実際、電話対応も自動音声化やチャットツールでの対応が進んでいます。
まったく無くなることはないでしょうが、全体としての数は少なくなるでしょう。

勤めていても、起業しても、「これができるのはこの人しかいない」、「この人だから頼みたい」と相手に思わせた方が、後で切られるリスクが減ります。

これは、スキルや資格だけではなく、周りとのコミュニケーション能力でもそう。

スペックの競い合いになれば、育児中の母親は不利な人材です。

でも、家庭内のマルチタスク管理や、絶対に残業できない中で成果を上げる能力は、自由に時間が使える時よりも大きく成長するし、他の人の役にも立ちます。

その仕事に何が必要で、この作業がどこにつながっているのかを見て、その為に必要なことにたどりつく最適ルートを探す。

できないことを悲観して自分の価値を下げるよりも、自分の得意な武器を鍛えて。

そうやって自分で自分のことを育てていきたいものです。
子どもだけが育つわけではないのだから。

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