首相がフリースクールを視察訪問。
しかし、そのフリースクールはスポンサーの資金援助の打ち切りが決まり、経営困難のため閉鎖寸前だった。
ここへたどり着きやっと笑顔を取り戻した子どもたちの次の居場所は決まっていない…。

視察から帰った首相（中身は息子）は、民間のフリースクールを国が支援する仕組みが無いことを知る。

「システムとシステムの隙間に入った子どもは救えないんですか」
「日本の総理大臣なんだから、日本に生まれてきた子は全員助けなきゃ。子どもは生まれてくるだけですごいことなんですから」
と率直に疑問をぶつける息子（見かけは首相）に、
「決められたシステムの中でやるしかないんだ。最大多数の最大幸福、より多い人の幸福を目指す、それが政治というものだ」
とはねつける父（見かけは大学生）。

間もなく迫っているサミットのホストとしての計画を進める父。
その夕食会だけで3,200万円の予算が割り当てられていることに、息子は、
「これだけあればフリースクールをいっぱい救えるよ。なんか変だよ」
とつぶやく。

元文科相大臣を呼び、説明を受ける首相（息子）。
既に１年がかりで決まった予算から、フリースクールを支援するシステムをつくる難しさを知る。
「みんなが汗水たらして納めた税金なのに、なんでそれを使って幸せになれないんですか」

一方、大学生になった父は、第一志望の会社に応募した息子の純粋な思いと、実際に面接で見た現実のギャップから、昔の理想を抱いた頃の気持ちを思い出す。

それまで確執があった親子は、フリースクールに通う子たちを救うために、それぞれ動き出す。

フリースクールについてはこの回で決着しますので、１話完結のように見られます。

脇のネタとしては、菅田くんと知英によるフォークソング「青春貴族」（中村雅俊）の弾き語りが、たぶんこの回のハイライト。
「♪いっちばん　だいじな　ものーは　なあに～」
ちゃんと次の歌詞をコールしたりしていて昭和世代のオヤジ感ありました。

あと、菅田くん＝フィリップを知る自分には、秘書役の高橋一生が
「さあ、検索を始めよう」
と両手を広げていたのがツボでした。

フリースクールの理事長が不思議キャラだったけど、まぁ、代表がヒッピーカルチャーの影響受けた感じのところはありますし。
そういうところは、学校の机と椅子と同じものは使わなさそうですが廃校利用のフリースクールなどはありえます。
退職した先生が開く学校に近い雰囲気のところもあります。
要するに、フリースクール、フリースペース、たまり場、色々な言葉があっても、代表やスタッフ、集まる子の特性で全然違うので、一律にこんな場所とは言えないんですよね。
だから、立法をすすめる時にも、抱いているイメージを共有するのも大変なのだと思います。

「民王」今期のドラマではけっこう人気高いようなので、フリースクールや「多様な教育機会確保法（仮称）」の議論に関わる方々は、国民の数％がこの話しを見ている、ということを知ることをおすすめします。

今後、このドラマにフリースクールは登場しないかも知れませんが、単純に面白かったので金曜は早く子どもを寝かせて続きを見たいですね！

公式サイト＞金曜ナイトドラマ　池井戸潤原作　民王｜テレビ朝日
９／４まで＞民王　第五章　革命｜テレ朝キャッチアップ｜テレ朝動画

▼原作も読みたい

民王 (文春文庫)

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池井戸 潤 文藝春秋 2013-06-07

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