選択されているタグ : 異文化理解 , 祭り , 立佞武多

津軽のお祭りは濃い! ねぶた、ねぷた、立佞武多の違いを、移住3年目の道産子が解説するよ

いよいよ、8月1日から弘前ねぷた祭りが始まります。寝不足な一週間が始まりますよ。

弘前市のねぷた祭りは8月1日から7日の一週間です。
1日~4日は土手町コース
5日、6日は駅前コース
どちらも夜19時スタートで21時過ぎ頃までねぷたが運行します。
7日は七日日(なぬかび)送り
10時~日中に土手町を運行し、岩木川までねぷたを運び、夜に燃やしフィナーレを飾ります。

-スポンサー広告-

弘前ねぷたと青森ねぶたはどう違う?

よく聞くのは、「ねぶた=人形型、ねぷた=扇型」ですが、実際はそう呼び方で形が変わるわけではないようです。

このあたりは、さすが地元のねぷた団体の方が詳細に説明されてます。
以下、浜団ねぷた愛好会様より引用。
ここ、詳しくていいですね。興味がある方はぜひ、引用部分以外も読みに行ってください。

ねぷた(neputa)と ねぶた(nebuta)って何が違うの?

TwitterやYahoo!知恵袋等でよく見かける回答は、

 ねぷたは扇型でねぶたは人形型だ

といった、「形状によって名前が違う。」という答えです。
これは「弘前ねぷたと青森ねぶた」のイメージが先入観となって発生する勘違いです。
こうなると、ねぷたとねぶたの違いという話ではなく、
「弘前ねぷた」と「青森ねぶた」の違いという話になってきます。

はっきり言います。ねぷたとねぶたの呼称の違いは形状ではありません。
なぜなら弘前ねぷたまつりにも人形型のねぷたはあります。
(青森ねぶた祭に扇型は無いですが…。)

さて、ねぶたとねぷたは何が違うのでしょう?

結論から言うと呼称による違いはありません。
もともと呼び名の由来は同じで、地域によって訛り方に違いが生まれ
呼び名が分かれたと考えていいと思います。
違いが生まれるのは、○○ねぶた だとか ○○ねぷた
と地域等の名前が入ったときです。
○○ねぷたはこういう祭りで、△△ねぶたはこういう祭りで、この点に違いがあるんだよ。という事です。
地域別でいうと、弘前を中心にした津軽方面は、ねぷた。
青森を中心とした北津軽や下北の幅広い範囲でねぶた。
と呼ばれています。

ねぷたとねぶたの違い | 浜団ねぷた愛好会

動画で見る弘前ねぷたと青森ねぶた、それに五所川原立佞武多

「どちらも観たことがないからイメージわかないよー」という方に向けて、YouTubeから選んだ弘前ねぷたと青森ねぶたの動画を貼っておきます。



いかがでしょうか。
山車の形、大きさ、お囃子もまったく違いますよね。

弘前近隣の田舎館村、平川市、黒石市は弘前と同じ扇型ねぷたが主ですが、お囃子やかけ声など違いがあります。

五所川原立佞武多も人気です

他に、山車の高さが20メートルを超える五所川原市の立佞武多(たちねぷた)も近年有名です。
県外から来る観光客は青森ねぶた~弘前ねぷた~五所川原立佞武多をハシゴして、日中に田舎館村の田んぼアートも見に行くという強行ツアーもしています。
昨年、わたしの伯母も関東からはるばる3カ所を観に来ていました。
五所川原立佞武多は未見なので、今年ぜひ観たいですね!


弘前ねぷたの魅力


大迫力で迫る大型ねぷた

大迫力で迫る大型ねぷた


青森ねぶたの大型ねぶたチームは、パナソニック、日立、東芝、JR、NTTなど企業チームが多く見られます。
大型ねぶた紹介: 2015年 - 青森ねぶた祭

対して、弘前のねぷたは地域団体が多く、土手町、茂森新町、桔梗野、小沢、城南、撫牛子(ないじょうし)などなど地域の町会(こちらは町内会を町会と言う)単位の参加が主になっています。
平成27年度 弘前ねぷたまつり合同運行 参加日一覧(PDF)
企業団体はNTT、JR、航空電子、それに医療・福祉法人、自衛隊、市役所というあたりぐらいでしょうか。
合計80団体以上が運行に参加します。
息子が通う保育園にもねぷた愛好会があり、現役の園児・保護者・保育士だけではなく、OB・OG・近隣市民も参加しています。

市街から遠い地区の名前、例えば「鬼沢」「東目屋」「青女子(あおなご)」などと巨大な筆文字で書かれた大型ねぷたがどーんと来るのを見ると、「どうだあー!!」と名乗られてる感覚になります。
そこに小さな子どもたちが参加しているのを見ると、なんとも微笑ましい。
上の弘前ねぷた動画で1分前後から出てくる「こひつじ保育園」の子たちなど、まさに「ぐうかわ!(ぐうの音も出ないほどかわいいの略)」でした。
ほとんどリンゴ畑か山林かという地区から来ているねぷたほど、盛り上がっている気がしますね。

お祭りというものが、古くは地域の民が集って、大いなる存在に祈り踊り演じ、日常の憂さや辛さを昇華させて絆を深めるものであったと思えば、弘前のねぷた祭りは原点を感じられます。
県外からの観光客ありきではなく、ここに暮らす人たちが楽しめる祭りとして進化し続けて欲しいなぁ、なんて思います。

故郷・北海道とのつながり


友好都市・斜里町のねぷた

友好都市・斜里町のねぷた


弘前市と北海道の知床にある斜里町は友好都市として30年以上の交流があります。
その一環として、弘前ねぷたの形式を継いだ「しれとこ斜里ねぷた」が運行しているそうです。
知床の町中を7月下旬に運行して、
知床斜里町観光協会 ブログ: 第33回 しれとこ斜里ねぷた 7/24~7/25 開催!!

弘前のねぷた祭りにも山車が参加しています。
下の写真は初めて弘前ねぷた祭りを見た2013年に撮影しました。
道産子なので、やっぱりここで北海道の町の名前を見るのはうれしかったですね。

えっ、七夕の「ローソクもらい」も、ねぷたから来ている?!

この記事を書くのに調べていて驚いたのですが、北海道の七夕で見かける「ローソクもらい」は津軽ねぷたから来ているとの説があるそうです。
七夕(北海道は8月7日が多い)に、子どもたちが家々をめぐって、
「ローソク出ーせー出ーせーよー 出ーさーないとー かっちゃくぞー おーまーけーにー噛み付くぞー」
などと唄い、お菓子などをもらうという和製ハロウィンな行事です。

ローソクもらい - Wikipediaより引用
「ローソクもらい」と「津軽地方のねぶた」との共通性
ローソクもらいの習俗が北海道に根付いた説のひとつとして、青森県の青森ねぶた、弘前ねぷたとの関連があげられている。津軽地方では戦前までのねぶたの照明はローソクであったため、ローソクをもらって歩くことが習慣となっていた。

知らなかった!

まだまだねぷた祭りについて書きたいことはありますが、長くなりすぎるので今日はここまでにします。

毎年、月末締めの事務仕事とねぷた祭りが重なって、この期間は大変なことになっています。
でも、あのお囃子が聞こえてくると、ついつい出て行っちゃうんですよね。
息子は見るだけねぷたが好きみたいですがね!
関連記事>「ちびっこねぷたのお通りだい」だけど、集団行動嫌いな息子が逃亡しています

コース近隣のホテル

8月1日~4日、土手町運行に近いホテル

8月5日~6日、駅前運行に近いホテル

土手町と駅前は徒歩15分圏内なので、どちらに泊まっても歩ける距離です。
屋台もたくさん出ます。ビールと焼き鳥片手にねぷたを見るのは最高ですよ。
津軽の夏、ぜひ体感しに来てください。


-スポンサー広告-

Facebookはこちら