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あの大仁田厚率いる超戦闘プロレスFMWが、なぜか青森県弘前市でプレ旗揚げ戦をした観戦記

会場の弘前市河西体育センター

会場の弘前市河西体育センター


自分的に大きな仕事が終わったので、やたら開放的な気分になっている斎藤です。
そんな日に、あの大仁田厚が「超戦闘プロレスFMW」という団体を興し、なぜかここ青森県弘前市で「FMW復活シリーズvo.1」を開催するというので、ダンナと2人で観に行ってきました。恐がり息子には刺激が強すぎるので、ダンナの実家に預けてきました。

実は、わたしたち夫婦はプロレス好き同士。前の雑記ブログにも格闘技カテゴリを作って観戦記を書いていたぐらいです。
Alternative Note: 格闘技
出産後のここ数年は、まったく情報も追いかけていませんでしたが、元は週刊プロレスを毎週買って読むようなタイプでした。
そんなわけで、ガッツリと観戦記事になりますこと、ご了承下さいませ。

FMW復活シリーズvol.1
日時:2015年4月21日(火)
開始:18:30
会場:青森・弘前市河西体育センター
観衆:1200人(超満員)

試合結果、バトルニュースより引用しました。
観衆:1200人(超満員)……。

▼第1試合 シングルマッチ 30分1本勝負
●超電戦士バトレンジャー
9分57秒 エビ固め
○リッキー・フジ

18:30開始に3分ほど遅れて会場到着すると、リッキー・フジ入場のテーマが聞こえてきました。
と言うことは、全選手入場して行うような大がかりなオープニングセレモニーイベントはなかった?
会場は、予想したよりは埋まってました。さくら祭り期間にやるなぁ。
それでも、リングサイド前列は、開始直後はこの通り。

リッキーもバトレンジャーも、立派に中年…いや、貫禄ある体型に。
試合展開もなにこの手に汗握るハラハラドキドキ感!
バトレンジャーの技を何か見たような気がしませんが、最後は切り返しあいから、リッキーが固めて勝利でした。

▼第2試合 タッグマッチ 30分1本勝負
●菊タロー/ワイルドベアー
13分32秒 サンドストーム→体固め
スーパーシューター/○五所川原吾作


ご当地出身の五所川原吾作選手、入場時には津軽三味線の生演奏、試合前に応援団の今泉市議より花束贈呈ありました。
ちなみに、今度の日曜、弘前は市会議員選挙です。

五所川原吾作選手と言えば、FMW時代によく悪役レスラーに虐められていたり、性転換レスラーになったり、モンスターになったりしていた記憶がありますが、その後どうしていたのか…。
今回のこの復活FMW第一戦目の開催、もしや五所川原吾作選手の力?
やはり貫禄有るお腹をしていました。

某えべっさん改め菊タローが、キビキビ、コミカルに動き、ひたすら受けて試合を回してました。
最後は吾作が菊タローをコーナーにかつぎ上げてからの必殺技で3カウント。
しかし、この後の興業のカードを見ると、セミやメインにもちょくちょく出るようで、大丈夫なのか…。


FMWだもの女子プロレスもあります

▼第3試合 タッグマッチ 30分1本勝負
○ミス・モンゴル/Ray
15分28秒 ラリアット→片エビ固め
旧姓・広田さくら/●花月

37回のお祝いチョップ

37回のお祝いチョップ

FMWは昔から女子プロレスもあります。
工藤めぐみ対シャーク土屋のデスマッチとか、週刊プロレスでも表紙を飾ったりするくらい人気がありました。

旧姓・広田さくら選手は、長与千種が'95年に設立したガイア・ジャパンの3期生。
驚異の新人と呼ばれたガイアの新人たちの中で、「へなちょこ」と呼ばれ、コスプレしたり、強さとは別な方向で才能を開花させた選手。
一度、10年前(!)に引退した時は、こんな記事も書いてました。
GAEA解散、さくら卒業。: Alternative Note

今は人妻キャラを売りにしている旧姓・広田さくら、先日37歳になったそうで、ロープに据えられ37回チョップを受ける、というお祝いもされてました。おめでとう。
他の選手も、初めて見たRay選手、花月選手ともに動きの切れが良くて、テンポの良い試合。会場もあったまってきました。
やっと、プロレスを見に来た気がする!

プロレス女子はここ目当て!? 

▼第4試合 タッグマッチ 30分1本勝負
○KAI/アンディ・ウー
14分37秒 LAT→片エビ固め
吉岡世起/●芦野祥太郎

主にWRESTLE-1を主戦場としている選手たちのタッグマッチ。
メイン前ですが、ノリにのっている旬な選手層だけに、一番見応えがありました。
90年代の新日本を中心とジュニア交流戦や、みちのくプロレス、闘龍門などが好きな人にオススメのスタイルです。
このへんが、今のプ女子=プロレス女子=プロレス好きな女子ブームを支えているのか。
観客の女性から選手へのかけ声も飛んでいました。
県外から追っかけて観に来ている人もいるんでしょうね。
最後はKAI選手の、ちょっと変わった足の取り方をした投げ技で決着でした。


有刺鉄線ボード

有刺鉄線ボード

ここで、メインの前に休憩時間。
リングの調整、として有刺鉄線ボードが設置されたりしてました。
その間、メイン出場以外の選手たちは物販やサイン活動中。
旧姓・広田さくら選手の缶バッチを買って話しかけようかと思いましたが、整理収納を学んだ直後なので自重できました。危ない!

レザーにチェーンソーで追っかけられて「お気を付けください!」

▼第5試合 有刺鉄線ボードデスマッチ 6人タッグマッチ 60分1本勝負
○大仁田厚/田中将斗/保坂秀樹
12分48秒 サンダーファイアーパワーボム→エビ固め
●NOSAWA論外/モンスターレザー/モンスターフレディ


場内に「ワイルド・シング」が流れると、「大仁田厚」のノボリ旗が立ち、ファンが詰めかけます。
さすがカリスマ。もちろん、ペットボトルの水を振りまいたりもしています。



そして、レザーフェイス改めモンスターレザーがチェーンソーを振り回しながら入場すると、蜘蛛の子を散らすように逃げ惑う観客たち!
「お気を付けください! 選手に近寄らないで下さい!」
叫ぶリングアナ。なつかしいな、おい!
あ、エプロンの血はデフォルトで付いております。ご安心ください。
なんだか、すっかり90年代にタイムスリップしたようでした。

連続ドラマは伝わらない

メインの出場選手は、大仁田厚、田中将斗、保坂秀樹、モンスターレザー、モンスターフレディが、旧FMWからの選手です。モンスターの中身は知りませんが。
例外はNOSAWA論外だけど、知らない選手かと思ったら、PWCデビューとか、女子高生レスラー千春のダンナだったとか、けっこう業界長い選手だったんですね。すいません…。
NOSAWA論外 - Wikipedia
開始前にリングアナから、ストリートファイトマッチのルール説明。トルネード形式とか、なつかし過ぎる。
だいたい、こんなルールです。

  1. 場外カウント無し。いつまでも場外で闘ってOK
  2. 凶器は命に関わるような重大な危険がなければOK
  3. 誰かがリング内で3カウントフォール取られたら負け。タッチする必要なし

選手が入り乱れてリングの中でも外でも闘うので、観客も移動しまくりです。
もう、最後だし、いいよね!
わたしたちもリングサイド後列から立ち見席に移動しました。


1200人(超満員)

1200人(超満員)

リングに近いあたりに観客が集中してますが、後ろの方はこんな感じでした。
平日に青森県第三の都市の興行でよく集まったと思いますよ。でも、1200人は…。超満員は…。

大仁田が捕まって有刺鉄線ボードに投げ込まれたり、パイプ椅子に渡した有刺鉄線ボードにブレーンバスターで落とされたり、細長い串のようなものでグリグリされたりしてましたが、最後は逆転して
「サンダーファイアー!」
のかけ声からの、サンダーファイアー・パワーボムでピンフォール。

そして、リングをバンバン叩く大仁田…へ、スーツを着た“テロリスト”村上が乱入して、大仁田に暴行を加えて去って行く。
新宿でのリベンジを誓う大仁田。


……
……誰!?


酔った893関係の人?ってのが、現役プロレスファンではないわたしの第一印象。
途中で、そういや村上来るって言ってたっけ、とアオリ記事を思い出しました。

ハヤブサが超戦闘プロレスFMWに全面協力!大仁田、田中将斗、KAIも旗揚げシリーズに出場!ゴリ押し参戦の論外が“平成のテロリスト”投入を予告

これからストーリーを作っていかなきゃいけないのはわかりますが、もう、即時に場面を切り出してSNSで共有される時代です。
普段プロレス観ない人が、そこまで手間をかけたりしない。
せめて、村上選手には、名乗る、因縁をしゃべる、わかりやすい悪役レスラーの格好をするとかして欲しかったです。

大仁田劇場が止まらない

テロリスト村上が去った後は、大仁田の独壇場。
リングを手のひらでバンバン叩く。ファンもリングサイドに詰めかけてバンバン叩く。
マイクを拾う。

「プロレスが青春だったやつ集まれ!」
「オイ! オイ! オイ! オイ!」
「オレは、オレは、オレは、オレは!」
「オレたちの青春は!」
「胸一杯のプロレスなんじゃー!」

(マイク叩きつける)
(テーマ曲ワイルド・シング流れる)
(リングサイドのファンにペットボトルから含んだ水を噴射する)
(マイク拾う)

(以下、5回ぐらい繰り返し)

……伝統芸能だな!
決め台詞してマイク叩きつける度に、本人や周りの選手がPA席にテーマ曲要求するのを見て、
こんな現場は嫌だ!!
と、かつてステージ音響スタッフの片端にいた人間として思いました。
そのうち、大仁田本人も
「音響さん、第一戦なのにマイクボコボコにしてゴメンな」
的なこと言ってました。わかってんじゃん!

そして、手を振り上げて「オイ!」と叫び、観衆も唱和する。
大仁田「そこの奥さん、やってないですね。ごいっしょに! ダアー!じゃないですよ、ファイアー!です」
最後は「1、2、3、ファイアー!!」で、長い長い大仁田劇場がようやく終わりました。試合時間より長かった気がする…。

これは、気持ちよさそう。絶対に、大仁田はリングを離れられないね。何度引退しても。


試合後、リングを叩く大仁田選手とファン

試合後、リングを叩く大仁田選手とファン


邪道から伝統芸へ


かつて、大仁田はジャイアント馬場選手の全日本プロレスに所属して、馬場さんの付け人をしていました。
様々な経緯で、独立した団体を作り、有刺鉄線デスマッチや女子プロも混在したスタイルなど、邪道と呼ばれるスタイルを作りました。
それは、20年以上経った今、既にひとつのフォーマットになっています。
邪道は伝統芸に。
有刺鉄線に率先して突っこむのも、試合後の乱入も、大仁田劇場と呼ばれるパフォーマンスも。
乱入だってお約束で、先のストーリーへの続きになる。

90年代に流行したバンドブームも、当時は既成の枠から飛び出そうとする若者の音楽で、ライブハウスに集う観客もまだ先がわからない若者たちでした。
型破りが、時を経て、その型枠にはまる。
同窓会も懐古も、青春のリバイバルも大いにけっこう。
好きなバンドが復活したら、わたしも当時のお約束の手振りで参加したくなるもの。
あの時の輝いていた人が、今もスポットライトを浴びていたら、それだけでもうれしい。

でもね、もうちょっと想像の先をいけるよねプロレス。
もっと今はすごいんだぜってところ、見せてくれたら、もっと感動する。
と、かなり久しぶりにプロレスの生観戦をしたオールドファンは思うのでした。
長文にて失礼!
久々にプロレスを観るってことは楽しかったよ!

追記:その次の仙台大会が85人だったというツイートを見て、驚愕に打ち震えました。
100万人都市で85人…。
それに比べたら、弘前興行は大善戦です!

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