これがキュレーションかっ。青森県立美術館「化け物展」がおそろしい

青森県立美術館

青森県立美術館


もうすっかり秋風が涼しくなって納涼どころじゃないのですが、青森県立美術館の「化け物展」を見てきました。
前回の成田亨展に続いて、今回も美術館のキュレーション力に感服しました。
キュレーション=コピペのまとめサイトだと思っている人は、1度青森まで来ることをおすすめします。

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前庭に「UFO」が! そしてちらりと見守る影が!!


美術館に続く道。成田亨展の時は、ここにポインター号のレプリカがあったなぁ…。
あれ、芝生に何か刺さってる!?


U.F.Oとわたし

U.F.Oとわたし

なんと、「U.F.O」です!
身長174cmのわたしと比べてのこのサイズです。でかい!


UFO裏面

UFO裏面

178cmの夫と

178cmの夫と

「お湯の目安量 9200ml」って…9.2リットルじゃないですか!
なんか、もうすごいんですけど、これも「化け物展」に出展された岡本光博氏のアート作品なのです。

ところで、さっきから、あの上の窓からチラチラと見えているんですけど…。


チラッ

チラッ

どーん!

どーん!

いったい、彼はあそこで何を見ているのか…?

カフェ「4匹の猫」で腹ごしらえ


フードメニュー

フードメニュー

メニューブック

メニューブック

田舎館村で田んぼアートを見てからの県立美術館到着は12時半頃。
ここの美術館はけっこう歩くので、美術館内のカフェ「四匹の猫」でしっかりと腹ごしらえをしました。
メニューブックも絵本になっていてかわいかったです。


トマトとモッツァレラチーズのパスタ

トマトとモッツァレラチーズのパスタ


八角堂の「カンパニー ニッポン・北のヒミツ」展に寄る


奈良美智デザインの八角堂

奈良美智デザインの八角堂

カフェを出てから適当に歩くと、美術館本館の裏側にある八角堂に出ました。
ここでは、デザインユニット・カンパニーの「ニッポン・北のヒミツ」展が開催中です。

青森県立美術館ブログ | 青森県立美術館より)

今年度のPHASEで奈良氏がピックアップするのは、フィンランドのデザインユニットCOMPANY(カンパニー)です。フィンランド人ヨハン・オリンと韓国人アーム・ソンの二人が2000年に設立し、ヘルシンキを拠点に国内外で活躍するCOMPANYは、デザイン大国フィンランドの若い世代を代表するデザイナーです。

近年、COMPANYは、フィンランドをはじめ、ベルギー、韓国、ロシアなど、世界各地の伝統工芸品を、遊び心溢れる独自の感覚でデザインし、あらたなプロダクトとして生まれ変わらせる「シークレッツSecrets」シリーズを行ってきました。このたびは、さまざまな工芸品を有する北の地を舞台に、この「シークレッツ」シリーズを展開します。

階段を上っていくと、のれんに隠れた作品が展示されています。
こけし、コマなど日本の伝統工芸品をモチーフにしたオブジェと映像が見られます。
けっこうシュール!な感じで、くすっと笑えました。


古今東西の「化け物」が大集合の「化け物展」

さて、本編の化け物展です。もちろん、美術館内、展示作品は撮影NGでございます。

県立美術館のサイトにて「展覧会のみどころ」が写真付きで紹介されています。
参考リンク>化け物展 | 青森県立美術館

わたしは子どもの頃、水木しげるの妖怪大百科が持ち歩くぐらい大好きだったので、その源泉になったであろう浮世絵の作品群、地獄絵図がツボでした。

江戸時代に彫られた地獄の鬼の裏側に、ふさふさ毛が生えた現代アート作品が並ぶ不思議空間。
ガラスケースではなく、茶色の段ボール箱で足元を区切って展示されていたのも、距離感が近くてよかったです。

そこから続く、島本了多「しらない言葉の百鬼夜行~壱~」の絵。
「コミット」「サスティナブル」「オーガナイザー」「ファシリテーター」「エビデンス」などの、聞いたことはあるけどうまく説明できないカタカナ語が、意味抜きで化け物化されています。
見ると、「…たしかに、こんな感じ」と思わされますね。

他にも、世界各地のシャーマン信仰に使われていた仮面、獣人たちの写真、妖精・精霊まで集まったかと思えば、絵本「はんぶんタヌキ」(長新太)、「おばけがぞろぞろ」(ささきまき)の原画もありました。
森口裕二氏の絵などはなまめかしかったですね。

県立なのに攻めているすごさ


美術館内のフォントもおしゃれ

美術館内のフォントもおしゃれ

今回も企画・常設展示セット券で見ました。
ここは企画展に連動して、常設している展示も変わるので見逃せないのです。
チケットを買ってから、すべて見終えるまで2時間弱。
毎回順路が違うので、スタッフの誘導に従います。
(そう言えば、今回は幻影のスタッフもいました。)

「成田亨展」「ミッフィー展」などは、中心となる作家があってわかりやすいのですが、今回の化け物展や昨年の「美少女史展」などは、企画から広報までアイディアを練り込まないと成り立ちません。
これを、本州最北端の、県立でやっているところが、ここのすごさではないでしょうか。
ただの話題の寄せ集め、切り貼りでは作れない。本当のキュレーションが感じられます。

今回は、夫婦だけで見てきました。
怖がり息子を連れて行くと集中して見られなさそう、という予想はたぶん当たり。
内容はかなり大人向けの企画展なので、小学生でもおつきあいくらいじゃ大人しく最後まで見ない気がします。逃げるかも。

この「化け物展」は9月13日(日)まで。
その後、美術館は補修工事の為に来年3月まで休館になります。あおもり犬ともしばしお別れ。
化け物好きな方は、ぜひ、この週末までに足を運んでみてください。

青森県立美術館

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