[太宰治生誕祭直前]金木に行くなら疎開の家→斜陽館の順に行け!とすすめられる理由

太宰治疎開の家 津島家新座敷

太宰治疎開の家 津島家新座敷


さて、いよいよ太宰治が暮らした家屋を訪ねます。

まずは、こちらの「太宰治疎開の家 津島家新座敷」へ。

わたしも父もこちらのことは知らなかったのですが、知人から「金木に行くならぜひここへ!」とプッシュされ、職場の行事で金木へ行ったことがある夫からも「行くなら疎開の家に行ってから斜陽館に行くべし!」とルートまでおすすめされました。

そして、行けば納得。なるほど順番としてはここから見始めた方が良いと実感しましたよ。
おすすめいただいた皆さんありがとうございます!


太宰治疎開の家・津島家新座敷へ


太宰治疎開の家入口

太宰治疎開の家入口


こちらは2007年から公開されている比較的新しいスポットです。

太宰が戦禍を逃れて、家族と共に身を寄せた生家の離れ屋敷。(有名な斜陽館からは徒歩4分)
昭和20年7月から1年4ヶ月間、精力的な執筆活動をし、戦後に発表された「パンドラの匣」「冬の花火」「トカトントン」「親友交歓」など、実に二十数作品をここで手がけた。
没後60年の間公開されずにいたが、実は文壇登場後の太宰の居宅としては唯一現存する貴重な邸宅。これまで幻であった貴重な太宰スポットの初公開は2007年より。
いつか太宰のふるさとを訪れたら、 彼が暮らし、その息づかいと物語が刻まれた空間にどうぞ。
(太宰治疎開の家旧津島家新座敷Facebookページより引用)

作家・太宰治が住み執筆活動をしていた家屋としては、唯一現存している建物とのことです。

同じ金木町の斜陽館は生まれ育った実家、弘前のまなびの家は学生時代の住処ですし、東京時代の家屋は残っていないのですね。

 疎開した太宰治が暮らした家として、唯一現存する建物。太宰はこの家で「パンドラの匣」「苦悩の年鑑」「親友交歡」「冬の花火」「トカトントン」など、数々の作品を執筆しました。
太宰治疎開の家(旧津島家新座敷) - 太宰ミュージアムより引用)

太宰治疎開の家 津島家新座敷

  • 住所:青森県五所川原市金木町朝日山317-9
  • TEL:0173-52-3063
  • 案内料:大人500円、小中学生250円
  • 開館時間:9:00~17:00(不定休)

離れと言っても、充分過ぎるほどに大きい間取りです。
それに細工や調度品がいちいち凝ってる!


キュッキュ鳴るうぐいす張りの廊下

キュッキュ鳴るうぐいす張りの廊下

凝った組木の廊下

凝った組木の廊下


当時は珍しかっただろうソファもありました。
ウレタンが無いので中は藁です!


中が藁のソファ

中が藁のソファ


館のご主人の案内が素晴らしくてまた聞きたいレベル!


太宰治が執筆していた部屋と机

太宰治が執筆していた部屋と机


ガイドの方の解説に聴き入る父

ガイドの方の解説に聴き入る父

ここでは男性のガイドさんが、太宰治の著作や資料を手にしながら、彼の生い立ち、暮らしぶりを語ってくださいます。

このお話しが、とても血が通っていて、本当にここに人間・太宰治がいたのだと感じられる語り口でした。
北海道から来た父が一番喜んでいた理由です。

そして、このガイドの白川さん、なんと館の主でした!

この新座敷は持ち主が何度か変わっており、曳屋もされているそうです。

カラーミーショップで物販やイベントの告知ブログも活用されていて、Facebookページもあるなど情報の発信に積極的ですね。
ここはすべて撮影OKなのもブロガー的にうれしかったです。


奥に座敷童…ならぬ暇してる息子

奥に座敷童…ならぬ暇してる息子

しかし、6歳息子は早々に飽きてしまい屋内の探検を始めたので、大事な建物にいたずらしないように見張っていました。
そのため、わたし自身はお話しは3割くらいしか聞けませんでした。

まぁ、彼にとっては100年前の文豪が…と言ってもまだわからないので致し方ない。
こういうお話しを聞けるにはあと数年必要でしょうね。

父がとてもよかったと言っていたので、次は必ず!


そして有名な生家「斜陽館」へ


斜陽館と物産館

斜陽館と物産館


斜陽館に向かう団体客

斜陽館に向かう団体客

そして、車で1分もかからない斜陽館へ。
ここは超有名で国の重要文化財指定も受けています。
日曜日のこの日は観光バスに乗った団体客がたくさん来ていました。

駐車場から斜陽館に向かう右手には大きな物産館もあります。

ここはとにかく広い!

さすが東京ドーム50個以上の広さの土地を持っていた(白川さんのお話しより)という地主の邸宅だけのことはあります。
もうその例えでは全然わからないよ…。弘前公園の5倍ぐらい? それってもう町レベル?

2階建てですが、敷地も広すぎて、チョロチョロする息子を見失い探し回るほどでした。

ふすまが金だったり精巧な絵がかかれている部屋があったり、


金襖の部屋

金襖の部屋


庭園にはもちろん池があり鯉がいますよ。


2階の廊下から見渡す庭園

2階の廊下から見渡す庭園


調度品も豪華な洋間

調度品も豪華な洋間

和室も洋間もたくさん。そしてそれぞれが趣向を凝らしています。
新座敷も立派だと思ったけど、こちらを見るとこじんまりしてたんですね…。

ここは一部撮影NGですが、基本的に公開されていて、訪問客が順路に従って見て歩くスタイルです。
団体観光客であればツアーガイドさんが付いていますが、個人客は展示の説明を見ながら進むのみ。

正直言って斜陽館だけを見ていたら、
「太宰治ってなんてボンボンの坊ちゃんだったんだろう」
と実家の富豪ぶりを感じるだけだったでしょう。

でも、先に疎開の家でお話しを聞いてから来ると、
「これだけ豪勢な邸宅の中で、社会の矛盾を感じながら育った少年」の気持ちを思います。

元々の太宰ファンは、そのあたりもしっかり読み込んでから来られるのでしょうが、そうではなく「走れメロス」や「人間失格」は昔読んだかなぁ、ぐらいのわたしレベルの人には、やはり疎開の家→斜陽館のルートをおすすめします。

斜陽館

  • 住所:青森県五所川原市金木町朝日山412-1
  • TEL: 0173-53-2020
  • 入館料:大人個人500円、小中学生200円、高大学生300円
  • 開館時間:5月~10月/8:30~18:00(最終入館17:30)
    11月~4月/9:00~17:00(最終入館16:30)
  • 休館日:12月29日


生誕祭にイベント多数あります


1909年6月19日生まれの太宰治、この週末は各地で生誕祭イベントが開催されます。

金木ではこちら。

学生時代を過ごした弘前でも。

金木を訪れる方は、ぜひ先に疎開の家にまず行ってみてください。

参考書籍

父はこちらを事前に買って読み込んでから来ました。

本にこだわらなければ、津軽は青空文庫にも入っていて無料で読めます。

Kindleも0円。わたしはこちらをダウンロードしました。

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