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CSS Nite in AOMORI vol.10 で数値の分析と哲学について学んできました

CSS Nite in AOMORI 登壇者の皆様

CSS Nite in AOMORI 登壇者の皆様


8月20日青森市アウガで開催されたCSS Nite in AOMORIに参加してきました。

全国各地で有志による実行委員会形式で開催されている「CSS Nite(しーえすえす・ないと)」は、Web制作に関わる知識や技術を深めることができるセミナーイベントです。
全国版のサイトはこちら。

青森県での開催は今年が10回目。
10年の歴史は、地方開催のCSS Niteで最も長いそうです。

わたしは昨年のvol.9に続いて2回目の参加。

今回は、毎日見ているアクセス解析に関わるテーマということで、とても具体的な内容に必死にメモを取ってきました。
ちょっと、頭の整理を兼ねてここに共有します。
なお、レポートは斎藤のフィルタを通しているので、実際の発言・意図と違う可能性がありますことご了承ください。


CSS Nite in AOMORI, Vol.10「論より証拠。数値が語る育つWeb」


今回も会場はアウガ5階のAV多機能ホール。
満席の盛況でした。

昨年はあまり知っている人がいなくて緊張しながらの参加でしたが、今年は隣に福井烈さんと岡詩子さんが並び、noteのこともお話しすることができました。

さて、司会はいつも通りDCTデザインの蝦名晶子(えびなあきこ)さん。
と、もうお一人!

東京からお越しの山本和泉さんとW司会でした。

そして、オープニングのナレーションの後、蝦名さんはさっそくセッション1に登壇です。

セッション1「分析」と「制作」のステキな関係
~「その先」を見すえた制作とコミュニケーションで築く信頼関係~


セッション1

セッション1


蝦名晶子さん

蝦名晶子さん

ディーシーティーデザイン代表で、NPO法人あおもりIT活用サポートセンターの副理事長で、JimdoCafe青森の活動やはじめてWEBでコラムも連載している蝦名晶子さん。

WEBや広告のお仕事をずっとしてきた方だと思っていたら、かなり職歴が豊富でソフトクリーム4巻半が作れるという特技もお持ちだとか。


印象に残ったのは、過去に広告関係の企画をしていた時のお話し。
読者プレゼントの商品選びで納得させるには、自分目線の「これだったら嬉しい」ではまったく上司に受け入れられなかった。
しかし、どれだけその商品が人気が高いか、クチコミ、自分でも使ってみるなどのデータを元に「○%、申し込み率アップを見込めます」と再提案したところ、「じゃあ、やってみよう」と。

具体的な数字は他者への説得材料になる、ということです。

転じて、WEB制作でも「この方がかっこいいから」ではなく、根拠となる数字やデータを示すことができると、クライアントの信頼感も高まりますね。

また、スライドでは「分析」「洞察」「哲学」というキーワードがよく出てきました。

数値からの「洞察」、なぜそうなっているのかを考えるのは人間の役目。
自分なりの「哲学」を持ち、それを構成している要素を「分析」して「洞察」する。

分析・哲学・洞察を自分の引出しに入れておき、たくわえた情報を横につなげていく。

長く関わっているクライアント企業のWEBサイトリニューアルの事例、メールマガジンの改善案とその結果など、実際の業務から出てくる経験談が参考になりました。


セッション2 データ分析で迷わない!データを読み解くステップ


セッション2

セッション2


菅沼幸子さん

菅沼幸子さん

続いて株式会社ウエディングパークの“データサイエンティスト”菅沼幸子(すがぬまさちこ)さんのセッション。

東京農工大で情報工学を学び、化粧品のクチコミサイト@コスメを経て、2011年から結婚式・式場のクチコミサイトウェディングパークの仕事をされています。

データサイエンティストって、肩書きの響きがかっこいいですね。日本の給料&職業図鑑に載っていそうです。


ウェディングパークは、結婚式場(国内・海外)、フォトウェディング、結婚・婚約指輪の情報を探している人と、その事業者のWEBサイトを結ぶクチコミマッチングサイト。

地域で選んだり、予算で並べたり、こだわり条件で検索したり、様々なニーズにこたえるメニューが並んでいます。

このウェディングパークのサイト内で予約・申し込みをするのではなく、あくまでも式場や店舗のホームページに誘導するビジネスモデルとのこと。
(ということは、広告と送客マージンなどで収益化しているのでしょうか…)

その中でデータサイエンティストの菅沼さんは、膨大なビッグデータを分析、抽出して、読み解いた結果をわかりやすく社内外に示す役割を担っています。

例えば、登録しているデータが少ない式場はアクセスが下がるので、「この部分のデータをもっと登録した方が集客につながる」という営業的なアプローチができるそうです。

Webのアクセス解析だけではなく、天気・気温、紙媒体広告、電話・メールでの問い合わせなどのデータも参照。
某人気アイドルグループがハワイでコンサートをしたら、その会場になった式場情報にファンのアクセスが集中してサーバーに大きな負荷がかかったとか。さすが学会を中止にするだけのことはあります。

季節では、正月明けに式場探しを始める人が増える数字の考察も紹介されていました。
なるほど、クリスマスにプロポーズして、年末年始に両親に紹介して、1月から式場はどこにしようかと動き始めるのですね。

地域ごとの違いのお話しも面白く、同じ東北でも青森県と宮城県では最初に見る項目が違うとか。
そういったデータを元に、載せる写真、キーワードも式場に提案されているそうです。

SNS、特にInstagramの活用のされ方のトピックスも。

思わずその場で検索してしまいました。
今は結婚しようとしたら、Instagramで結婚準備専用のアカウントを作って情報収集したり、発信したりする人までいるんですね。

分析しなければならないデータが増え続ける中で、どう切り取るか、何を見いだすかというところはやはり人が考えるところ。

巨大なサイトの裏側で別名「ポリス」とも呼ばれる菅沼さんのお仕事。
その一端に触れられる貴重なセッションでした。


ビジネス成功の鍵は「顧客の声」にあり ~成果を生み出すアンケート調査のコツ~


セッション3

セッション3


成田裕美さん

成田裕美さん

3人目の登壇者は、リバース コンサルティング/材 株式会社の成田裕美(なりたひろみ)さん。

自己紹介では、「心理学出身の統計分析屋」と語られています。

民間企業だけではなく、行政からの依頼も受けられています。

せっかく、顧客の声を聞こうとアンケートを実施しても、こんなことはありませんか?

  • 結論がわからない
  • 具体的対策に落ちない
  • 成果につながらない
  • 結果→アンケートをやりっぱなしになってしまう

あるあるある!!

アンケート調査で成果を出すにはコツとノウハウがある。

と語る成田さん、普段のセミナー1日コースを40分にぎゅぎゅっと詰め込んだお話しでした。

まず、得たい成果を明確にする。

お店にまた来て欲しい、リピーターになって欲しいということであれば、
「また来店したいか?」を聞こう。

その上で、他の質問要項(接客態度は? 清潔度? 価格? 品揃え?)との相関係数を調べる。

そして、自分なりの仮説を持つ。
仮説と数値とを検証します。

  • 従業員の接客には力を入れているから満足度が高い?→○
  • 安い競合店が出てきて、価格競争が不安。価格に不満があるのでは?→×

顧客の満足度・リピート欲が高い部分は強みとしてPRし、リピートしたいが満足度が低い項目を最重要課題として解決する。

質問方法と、そのデータの種類、分析方法について具体的な分類の説明があった後…。

【ワークショップ】実データを元にしたアンケート活用

とある配達専門のお弁当屋さんが行った実際のアンケート結果を元に、事業改善案を出しましょうというワークショップが始まりました。


実際のアンケートデータを元にワークショップ

実際のアンケートデータを元にワークショップ


これまでのセッションと、成田さんのデータ解説を元に、どこをどうするのが良いかを考えます。

  • 週4回以上利用するヘビーユーザーを狙うか、1~3回のライトユーザー、知られていない層を狙うか?
  • 単価500~600円が定番メニュー
  • ヘビーユーザーとライトユーザーの年代、嗜好

様々なデータの中から、わたしが考えた案はこんなものでした。

  • どちらを狙う?→ヘビーユーザー
  • どんな方法で?→「○○御膳」野菜、煮物、蒸し物などヘルシー志向のおかず。品数多いけどカロリーは控えめ。800円。
  • お客様は何がうれしい? メリットは?→あっさりしたものが食べたい時のメニュー。健康に気をつかう世代に。毎日じゃなくても、たまにはご褒美的に。

前提条件として、「キッチンの容量的にこれ以上の量は増やせない」「ヘビーユーザーはライトユーザーに比べて年代が高く、和食傾向」というデータから導いていました。

実体験としては、劇団員として全国公演に付いていた頃は、毎日仕出し弁当を食べる暮らしだったので、たまに手づくり色が強いあっさり目のお弁当があるとうれしい。特にベテラン世代に喜ばれていたという記憶もあります。
お弁当って揚げ物ばかりになりがちですからね…。

それを、隣席の参加者とシェア。
皆さん、それぞれ着想が違って面白かったです。岡詩子さんの回数券とか。


意見シェア中(撮影:東海 恭平さん/デザインギャラリー http://designgallery.info/)

意見シェア中(撮影:東海 恭平さん/デザインギャラリー http://designgallery.info/)


それから、会場からの発表を共有し、成田さんからの解説がありました。

すべてのお客様を喜ばせようとすると潰れる。
どんなお客様からの声を優先して改善すれば事業が伸びるか?
この設定を間違いなくする為のデータ分析でした。

セッション4 Webサイトのアクセス解析から導く、事業の改善ポイント


セッション4

セッション4


益子貴寬さん

益子貴寬さん

最後は益子貴寬(ましこたかひろ)さん(株式会社まぼろし 取締役CMO/株式会社サイバーガーデン 代表取締役)のセッションです。

CSS Nite in AOMORIには、Vol.1、6、10と3回目の登壇。
他、今年1月にはあおもりIT活用サポートセンター企画・運営の講座でも講師をされています。

わたしにとっては最近買ったa-blog CMS本の監修者でもあり、お名前はかねがねうかがっているという方です。

ちょっと怖そうかしら(ドキドキ)と思っていたら、Instagram大好きで1万件以上投稿しているとか、「イェーイ」で会場をザワザワさせるとか、なかなかのお茶目さんでした。

Webサイトのリニューアル大好き!
リニューアル後はコンバージョン(目的達成)率を2倍以上も上げているそうです。

そんな益子さんによる、Googleアナリティクスの設定、見方のツボの解説です。

Googleアナリティクスは、当ブログでも設置して、毎月1日の運営報告に使っています。

しかし、益子さんがスライドで解説する、
「このプロパティ設定を~~、このビュー設定を~~」は、もうメモしてる時間がもったいない!

自分のブログのアナリティクスを開いて、設定を追加していきました。ハンズオンってこういう感じ?

「コンバージョンを設定してないアクセス解析なんて、○○のない○○のよう」と懐かしい例えも出ました。
(同世代だと思ったら、わたしより少しお若かった…)

つまり、目標を設定しておかないと、目標に対して今がどれくらいなのかが出ないのですね。

コンバージョンは、例えばお問合せフォームからの送信完了画面、ショップであれば購入完了、電話予約ボタンのクリック・タップ、資料のダウンロードなど、お客様によって違います。

わたしのように、ブログの目的が必ずしもお問合せや購入ではないブロガーの場合は何をコンバージョンに設定するか?というのも悩ましいですね。

とりあえず、今は1回のアクセス(セッション)で、2画面以上読まれているかどうかを目標においてみました。
ページビュー/セッション率も指標にはなりますね。
ずっと1.3台だから回遊率を高めたいなぁ、とか。

「ユーザーエクスプローラー」という項目の紹介は、まったく知らない機能でした。これはもっと深めたい。
ユーザーエクスプローラーから、訪問者の足跡をたどり、その人が探していたことや迷っていたことを考察して「カスタマージャーニーマップ」を作るというのも知らない概念でした。

ランディングが多く、直帰率がサイト平均よりも高いページは改善すべきページ。
せっかく訪問者が多いページなのに、他のページと比べて離脱してしまうというのは、どこか訪問者のニーズとずれているということですね。

企業のWEBサイトを作る制作事業者と、個人事業主やNPOなど小規模事業のホームページを作る事業者、個人ブロガーでは、それぞれ目標の立て方が違いますが、
「情報を欲している人に的確に届ける」ことがコンバージョン率アップにつながるのは同じ。

懇親会では、持参した本にサインもしていただきましたし、このブログにももっと手を入れて記事を見やすく配置していきたいものです。


懇親会で監修されたa-blog cms本にサインいただきました。(撮影:東海 恭平さん/デザインギャラリー http://designgallery.info/)

懇親会で監修されたa-blog cms本にサインいただきました。(撮影:東海 恭平さん/デザインギャラリー)


CSS Nite in AOMORI 10年の先には…?

この後、懇親会に移動して、多くの方とお話しする機会がありました。

福岡県や香川県の方ともJimdoつながりで交流できてうれしかったです。
ファビコンみたいな小物作りのモチベーション上がりましたよ。

そして、古谷実行委員長からの閉会の挨拶でわかったのですが、
来年のCSS nite in AOMORIの開催予定は未定とのことです。

そこへ益子さんが「ちょっと待った!」とばかりにマイクをつかんでから、どんどんマイクがリレーされていって、これはそのうち誰かが
「やってやるって!」
と越中詩郎ばりに叫んでマイクを叩きつけるのかとプロレスファン的に妄想しましたが、そんなことはなく。

今後は、CSS Niteという形でやるのか、誰が、どこで、どんな会をやるのか、ということはこれからの課題となりました。

ともあれ、1参加者としては今回のCSS Niteは具体的で参考になることがたくさんでした。

身を削ったデータを提供いただいた古谷実行委員長、実行委員会スタッフの皆さん、遠方からお越しの登壇者の皆さん、本当にありがとうございました!

なお、隣席だった福井烈さんが、関連ツイートのまとめも作っています。あわせてどうぞ。


【おまけ】りんご飴マンも参加

昨年はWebセミナーに漁業者が登壇!とブログに書きましたが、今年は生キャラが登場していました。


SHIFT管理人として紹介されるりんご飴マン

SHIFT管理人として紹介されるりんご飴マン


ただいま弘前市にてプレオープン中のコワーキングスペース「SHIFT」の管理人として、りんご飴マンが紹介されていました。

ちなみに、彼はFacebookページにて、このCSS Nite in AOMORIをPRする記事も書いていました。


この後、景品争奪戦のじゃんけんにも勝利してCSSについて学ぶ本をゲットしていたので、きっと数ヶ月後にはりんご飴マンの記事のデザイン力がアップしていることでしょう!

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