心配していた「虐待」の手前で踏みとどまらせてくれたのは、息子を愛してくれた他人でした
まだ息子が赤ちゃんだった頃、わたしは子どもを産む前に心配していた通り、何度も育児に煮詰まって投げ出したくなりました。
怒鳴ったり手をあげたりしたくなることも、お世話を放棄したくなることもありました。
でも、「虐待」の一歩手前で踏みとどまらせてくれたのは、近所や通りすがりや、遠くにいる他人、それに家族・親族のおかげでした。
核家族で育児をする時、なるべく自分たち以外の人にたくさん子どもを見てもらう。
それが後に自分にブレーキをかける力になりました。
なんだか毎日緊張してました
前にも書きましたが、子どもが生まれてすぐの頃は、「育児」なんて全然思えず、ひたすら「生き物係」でした。
関連記事>「あれ? 人間が増えている」と突然実感したのは出産後半年頃でした
おっぱい→おしっこorウンチ→オムツ交換→おっぱい→寝る→寝かす→起きる→泣く→おっぱい→おしっこorウンチ→オムツ交換(以下エンドレス)
このぐるぐる地獄!!
昼も夜もありませんでした。真冬だったのもあり、本当に辛かった…。
「赤ちゃんは泣くのが仕事なんだから、泣かせておけばいいのよ~」って言われてもですね、泣き声を聞くと動悸はするし、手は震えるし、何も手につかなくなるから、家事なんかできないんですよ。
赤ちゃんの泣き声が母親の生理状態に及ぼす影響についての研究とか何かあったような…。
その後、産後5ヵ月目で会社勤めを再開して、少しは自分の時間を得られるようになったものの、いつもいつも時間に追われる日々でした。
「もうダメだー!」という時によぎるのは、悲しむ人たちの顔でした
休日にたまった家事をするのと、息子のお世話と遊び相手をするのと、自分の身体を休めるのと…で言えば、3番目が一番後回しになるわけで。
札幌時代は夫も勤務が今以上に不規則で、2週間休み無しとか、深夜帰宅とかもよくありました。
気づかぬうちにバセドゥ病になって、身長が174cmもあるのに体重が50kgを切ってました。
「母乳育児は痩せるってほんとだなぁ。食べても食べてもお腹が空く」
とか、そんなのんきなこと言ってる場合じゃなかったですね。
息子と2人きりの休日で、いつまでもおっぱいと抱っこで家事ができず、イライライライラ。
わけもわからず泣かれたりすると、もう「キーッ!!」となってました。
でも、そこで手を上げずに済んだのは、息子に何かあった時に悲しむであろう人たちの顔でした。
夫、両親、夫の両親、いつも遊んでいるママ友、保育園の先生、子育てサークルの仲間たち、近所のおばあちゃん、息子が生まれてから遊びに来てくれた友だち、SNS越しに近況をやりとりしていた友人たち…。
普段、息子のことをかわいがってくれている人たちの悲しむ顔が浮かび、一時の衝動を抑えられました。
一番濃く長く接しているのは自分なんですが、キーッとなっている時は自分がどれだけこの子を愛しているかということは吹っ飛んでしまうのです。
優等生で見栄っ張りなわたしには、息子を愛してくれる、気にかけてくれる他人が、もしもの時のストッパーでした。
休日に区の子育て支援イベントで涙が出たことも
休日、息子がとてもニコニコしていたかと思うと、全然泣き止まなくなって、もう途方にくれて家から息子を抱えて逃げ出しました。
そして、区の広報誌を見てチェックしていた子育て支援イベントに行きました。
たしか、保健センターで年に2回くらい行っていたもので、子どもの身長・体重測定、足形手形のスタンプ、ペープサートや人形劇、木の玩具などがありました。
その中にリフレクソロジー体験がありました。
子どもたちが遊んでいる間に、ママが腕(普通は足ですがイベントなので腕でした)を揉んでもらうというコーナーです。
わたしは、実はめったにマッサージや整体などの施術を受けることがないタイプです。
なんか、知らない人に身体を委ねるのが苦手なんですよね。
でもその時は疲れ切っていたのもあって、たまたま空いていた時にお願いしました。
息子は少し離れたところで、人形劇に熱中してました。
その背中を横目に見ながら、いつ息子に呼ばれるかとハラハラしてたのですが、ベテランの施術者の方はわたしの腕をもみほぐしながら、
「いいお母さんだねぇ」
と言ってくれました。
このイベントに来るまで、家であわや手を上げるところだったわたしは、どっと涙が出ました。
手のひらや腕の反射域から何がどう伝わったのかはわかりません。
でも、内心、自己嫌悪でどろどろ状態だったところを、そう声をかけられてていねいに揉んでいただいて、すっかり気がゆるみ、涙腺もゆるみました。
他に、腰に気をつけるように、ケガの防止の為にもストレッチをするように言われました。
すいません、全然実践してません。
一番必要な時に、一番必要な言葉を、通りすがりの人からいただいたという、忘れられない出来事でした。
煮詰まらない為に外に出る
わたしの場合、とにかくじっとしていると煮詰まってしまうので、広報誌や情報サイトをチェックして外に出ていました。
それは今も同じです。
今は仕事も家が拠点なので、煮詰まらないために色んな場所やイベントに出かけています。
孤独な育児に陥りそうな時は、ぜひ外へ出てみましょう。
外の人、別の場所から見てみたら、いう視点を得ることで、にっちもさっちもいかない状態から抜けることができるのです。
それは子育てに限らず、仕事でも何でも。
そうして一歩を踏み出した時に、思いがけず救ってくれる手と出会うことが、きっとありますよ。
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