津和野の乙女に思いをはせるクリスマス

つわの乙女の祈り和紙人形と黒髪リカちゃん

つわの乙女の祈り和紙人形と黒髪リカちゃん


遠方のお人形友だちまりぞうさんから、とても素敵な和紙人形をお土産にいただきました。

昔のクリスチャンがモチーフとなっていて、赤い着物とシスターのようなベール、金の星と十字架が意外なほど合っていてかわいらしい。

もしかして、うちの黒髪リカちゃんでおそろい撮影ができるのでは?

クリスマスイブに思い立ってうちにあるアイテムを組み合わせてみたらぴったり!

でも、SNSに写真をアップしてから気づきましたが、恥ずかしいことに着物の前合わせが逆になっていました。

それで撮り直しをクリスマスにしたのですが、その前にちゃんと元のモチーフを知ろうと津和野カトリック教会のホームページを見てみたら、想像以上に哀しい歴史が記されていたのでした。



キリシタン殉教の地・津和野乙女峠


津和野の和紙人形に扮するリカちゃん

津和野の和紙人形に扮するリカちゃん


島根県津和野町の乙女峠では、弾圧を受けて流刑されてきた「キリシタン」たちが、1868年から1872年の5年間にわたって棄教を迫られ拷問や虐待を受け、子どもを含む30人以上が殉教しました。

たとえば、5歳の女の子もりちゃんに行った役人の拷問は、今でも私たちの胸を締めつけます。飢えに苦しんでいるもりちゃんに、役人はおいしいお菓子を見せて言いました。
「食べてもいいけど、そのかわりにキリストは嫌いだと言いなさい」と。
たった5歳の少女になんと残酷な質問でしょうか。
それなのにもりちゃんは、「天国の味のほうがもっとおいしい」と答えました。
このように答えさせたのは、いったい何の力だったのでしょうか。

わたしは今回の撮影し直しでホームページを見るまで知りませんでした。

宗教行事を季節のイベントにしている日本に生まれて

わたしは多くの日本人と同じく特定の宗教を持たず、お盆にはお墓参りをして、クリスマスにはケーキやチキンを食べ、お正月には神社で柏手を打ちます。

そんな世界からは類のない国の中で生まれ育って、それほど強い信仰心はわからないけれど、少しうらやましいというか、あこがれる気持ちもあります。

どこに引っ越しをしても、教会に行けばつながれるコミュニティがあり、ともに祈り歌い、時には懺悔をし、迷った時は行動指針になるってすごい。

その逆に、異教徒への容赦の無さなど歴史的には信仰がもたらした悲劇もあるけれど。


聖なる日にお祈りを

聖なる日にお祈りを


少なくとも今は思想・宗教の自由は憲法で保障されています。

多くの国でも同様に、宗教を弾圧することは国際的な非難を浴びる行為と認識されています。

キリスト教徒だけではなく、多くの人たちの折れなかったつよさが変えてきたこと。

ニュースを見ていると絶望的な気持ちになったりもするけれど、ほんの150年で少なくとも特定の宗教を信じる人たちを子どもごと虐待することは無くなっています。

ちょっとでも、ちょっとでもよき方向へ。

あきらめないで前に進んでいると信じる。

そんなことを考えるクリスマスでした。

使用したアイテムとモデルについて

着物セットはかなり前の自作です。

ベールはリトルファクトリー(リカちゃんキャッスル)22cm用Hi-Basicのレース付きショールを、ピン止めしながらかぶせました。

モデルはリカちゃんキャッスルお人形教室の黒髪リカちゃんです。

なお、和紙人形を贈ってくださったまりぞうさんは、ジェニーフレンドのエリーさんがおそろいしていました。そちらの着物もそっくり!

まりぞうさん、ありがとうございます。

いつか津和野に行く時は、色々と教えてくださいねー!

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