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GM:あなたは心地良い疲労の中で眠りにつきました。では、【心魂】でリアルロールしてください。
ヴォーケン:(コロコロ)17です。
GM:あなたは夢の中で、短剣でつる草を切り払いながら細い道を進んでいます。
小さな自然の洞窟があります。そこは暗く一本道で、抜けていくと谷間の陽が差す草地に出ます。
そこには小さな石碑があります。陽の光がふりそそぎ、春霞樹の花びらが舞っています。
あなたはそこで短剣をおろしてほっと一息します。少女の声がどこからか聞こえてきます。
(少女):「おかえり、パパ…」
というところで目が覚めます。<心魂の力 >の魔法潜在力を1獲得してください。つまり、あなたは機会があれば<心魂の力 >の魔法を試みることができるわけです。
ヴォーケン:やった、魔法だ!
GM:さて、そんなわけであなたは目が覚めます。妙にリアルな感覚がある夢でしたね、短剣の握り心地だとか。
ヴォーケン:少女の顔を思い出してみよう。
GM:声だけでしたね。舌っ足らずというほどではないけれど幼い子ども、カッシュ君よりは年上の雰囲気でした。
ヴォーケン:ん〜、夢に見た光景に記憶はない?
GM:いや、まったく見たことのない風景です。
ヴォーケン:そうか。じゃあ、特になければ、ここを出立してロードンに向かおうかな。外へ出て顔を洗おう。
GM(カッシュ):「パパーっ、おはよー!」
ヴォーケン:「おはよう、カッシュ。んー、元気だったか?」と頬ずり。
GM(カッシュ):「いたいいたい」
ヴォーケン:「はっはっは、おまえも大人になればこうなるんだぞぅ」
GM(カッシュ):「痛いのよ、ヒゲが」
ヴォーケン:「すんません」しょうがない、10日ぶりに剃ろうゾリゾリ。「剃りました」
GM(カッシュ):「にへ」
ヴォーケン:ヒゲを剃ってきれいさっぱりになってみたっ。…【魅力】5! 変わんねー。
GM:そうやってヒゲを落としたあなたが戻っていくと、エフィーネが「あら、実はお若かったんですね?!」と驚く。
ヴォーケン:「何歳だと思ってたんですかいのう?」
GM(エフィーネ):「ええ、あの、ロイドさんよりちょっとは下かな、と」
ヴォーケン:「あー、実はわしはまだ24ですけえのう」
GM(エフィーネ):「ええっ、そうなんですか?! じゃあ、わたしとそんなに変わんないんですね。全然そう見えなかったわ」
ヴォーケン:「そうですかいのう…。ま、ヒゲがある方が貫禄がつくと言われますのう」
GM(エフィーネ):「昨夜はよく眠れました?」
ヴォーケン:「ああ、よく眠れましたわい。さすがにベッドは威力が違いますのう」
ヴォーケンはエフィーネに海軍のハンモック生活を語る。海を見たことがないエフィーネは目を丸くしながら聞いている。調子に乗ったヴォーケンは、誇張混じりの冒険話を語るが、すべて真剣に受け止められて落ち着かなくなってくる。
GM(エフィーネ):「ええっ!2mのナマズと3mのウナギですかっ?!」
ヴォーケン:「いや、あの、それは嘘です」 さすがに気が引けてきた。
GM(エフィーネ):「ひどい、からかったんですね。わたしが世間知らずだからって!」
ヴォーケン:「いえいえいえ、水の怖さを知ってもらいたかっただけで…」とか適当に。
GM(カッシュ):「うみ? パパ、うみいくの?」
ヴォーケン:「ああ、今度海に行くときはいっしょに連れて行ってやるけえのう」
GM(カッシュ):「ママ、パパ、うみつれてってくれるって!」
GM(エフィーネ):「ふふ、パパじゃありませんって。じゃあ、朝食の準備ができていますから、どうぞ」
ヴォーケン:「おお、それは申し訳ございませんのう」
GM:朝食は焼きたてのパンと玉葱のスープ。
ヴォーケン:おお、朝飯はないと思っていたのに、ラッキー♪
GM(エフィーネ):「わたしたちと同じもので申し訳ないんですけど…」
ヴォーケン:「いえいえ、これがいいんです。今度金があるときにきちんとお客様用のご飯というのを、ぜひ食べに来ますので」
GM(エフィーネ):「またこの子と遊んでやってくださいね」
ヴォーケン:「ええ」 ニコニコとパンを食う。
GM:食べ終わったカッシュ君は、君の短剣が気になるようで、鞘の外からスリスリしたりしげしげ見たりしています。首をかしげて、剣に向かって「パパ…?」
ヴォーケン:「うん? じゃあ、ちょっとその短剣を抜いて見せよう」
GM:カッシュ君は男の子らしく目を輝かせます。
ヴォーケン:「まだカッシュには重いなあ?」
GM:同じ食卓を囲んでいるロイドさんが「おや、その剣はっ?! ちょっと見せていただけますか?」
ヴォーケン:「は? どうかしたんですかいのう」 と渡す。
GM:柄をしげしげと見て、「うーん、間違いないな。これはわたしがカッジィに贈ったものですよ」
ヴォーケン:「はっ?!」
GM:エフィーネも「えっ?!」 とのぞきこみます。
GM(ロイド):「カッジィが戦場に行くことが決まったときに贈ったんですよ。ここに印が彫ってある」
ヴォーケン:「はーあ、なんとまた…」 はて、この剣はどこで手に入れたんだっけなぁ?
GM:それは、近くの森の戦場跡に落ちていた物が回収され、支給された物です。
ヴォーケン:この辺の森なんだね?
ヴォーケン:じゃあ、そのことを物語る。
GM(ロイド):「そうですか、やはり…、帰ってこないか」とため息をつく。
GM(エフィーネ):「そんなことはありません!」
ヴォーケン:「いや、短剣と言えば昨晩見た夢が…。この短剣は夢に出てきましてなぁ。」と夢のことを、少女の話はしないで語ります。
GM(エフィーネ):「洞窟ですか?!」衝撃を受けた表情をしています。「わたし、そこを知っています」
ヴォーケン:「はあ?!」
GM(エフィーネ):「その洞窟は、たぶん、わたしと彼が行ったことがあるところです」
ヴォーケン:「ちょっと地図を書いてくれませんかのう」
GM(ロイド):「いやお客さん、ちょっと待ってください。あのあたりは最近小鬼が住んでいるという噂があって、村人は近づかないようになっているんです。危ないですよ」
ヴォーケン:「ああ。まあ。ちょっと話しを教えてもらうだけですからのう」
GM(エフィーネ):「ここから東に半刻ほど行ったところです。村のはずれになるんですけど」
ヴォーケン:「ははあ、なるほど。そこには小鬼が出るそうですから、エフィーネさんもそこに近づいてはだめですぞ」
GM(エフィーネ):「でも、もしかしたら…」
ヴォーケン:「(かぶせる)カッシュが、あなたにもし何かがあったらカッシュはどうするんですかいのう?」
GM(エフィーネ):「でも、あそこを抜ける道を知っているのは、わたしと彼なんです。お願いです、わたし、そこに行きますので…」
ヴォーケン:「だめです。…ロイドさんからお話しを聞いたのは、わし一人であれば別になんともなると思ったからです。何か見つかればよし、たとえ見つからなくても、通りがかりの風来坊に何事があってもよいではないですか」
GM(エフィーネ):「そんなわけには…」
ヴォーケン:「それに、わしは小鬼とは何度でもやりあったことがあるから、正直勝てるだろうと踏んでおるのですが、いくらなんでもおなごの方を連れて行くとなると、これは難しい」
GM(エフィーネ):「じゃあ、いっしょでなくても、わたし行きますから」
ヴォーケン:「絶対、そう言うと思ったんですがのう…」
GM(ロイド):「この人は言い出したら聞かないんですよ」
ヴォーケン:「はぁ、夢の話しなどしなければ良かったんですのう(遠い目)。ひとつだけ約束をしてくれませんかのう」
GM(エフィーネ):「なんでしょうか?」
ヴォーケン:「危ないかどうかはわしが判断しますんで、危ないと思うたらわしの指示に従って欲しいんですがのう。できますか?」
GM(エフィーネ):「わかりました」
ヴォーケン:「なるだけ危なくないように帰ってきますんで」
GM(ロイド):「しかし、それは危険だな。いくらあなたが手練れの冒険者だとしても…」
ヴォーケン:ああ、なんか耳に突き刺さるなぁ。「できれば、他に屈強な方がいっしょに行ってくださると心強いですがのう」
GM(ロイド):「まあ、わたしでよければ…。これでも昔は小鬼を退治したことがあるものです」
ヴォーケン:「ああ、それは心強いですのう」
GM:ロイドさんは奥から薪割りに使っていたハンドアックスを持ってきます。カッシュ君が「おでかけ? おでかけ?」と聞くので「ああ、君は叔母ちゃんところへ行こうね」とロイド妻に預けることになります。
ヴォーケン:「それでは、もうそろそろ行きますかいのう」
GM:ちなみにロイドさんは、ハンドアックス、レザーアーマー…。
ヴォーケン:はっ、強い!?
GM:そして、鍋の盾。
ヴォーケン:わしも鍋が欲しいのう。
GM:この宿のもう一つの鍋はエフィーネが持っていきます。
ヴォーケン:「危険があったらこれをかざすんですよ」
GM(エフィーネ):「はいっ」
GM:じゃあ、そんなわけで君と、エフィーネと、ロイドさんと三人で山道に出立するのであった。