Roads to Lord

比較研究論

2.キャラクターの冒険

4.戦闘

■Bローズバストスの場合。
“ビー・ローズ”では特に「戦闘システム」という独立した体系は用意していません。これらも全て他のさまざまな「行動」と同列に扱われます。

ルールブックには、このように書かれています。基本は対抗RRで、それにオプションルール的に戦闘の解決方法が書かれています。「その1」から「その24」まで。これらのルールを取捨選択して使うことになります。
対抗RRの状況は「周辺状況:普通+10」です。

バストス
筋力気力運動感覚知力体質自我霊感
1414
攻撃:1D10-1(双歯棒) 防御値:5

スケルトン
筋力 気力運動感覚知力体質自我霊感
1412(0)(0)20
攻撃:2D5 防御値:0

1ターン目:まず、刀剣や斧などを用いての近接戦闘から始めます。
近接戦闘の場合は、「運動」の高い方から行動します。
スケルトンは運動12、バストスは運動6なので、スケルトンの先攻です。
運動の対抗RRは、スケルトン「12(運動)+17(2D10)=29」>バストス「6(運動)+10(周囲の状況+10)=16」で、スケルトンの攻撃が命中しました。対抗RRと同じで防御側はダイスを振りません
ダメージは「攻撃:2D5」に「筋力から発生する追加ダメージ:(筋力÷10)D3」を加えます。端数は切り上げ。スケルトンの筋力は14ですから、2D3の追加ダメージです。「10(2D5)+4(2D3)=14」点の打撃から、バストスの「防御値:5」を差し引いて、9点のダメージをバストスに与えました。
この9点のダメージを、以下の能力値に振り分けます。
物理攻撃のダメージは、基本的に筋力、気力、運動、感覚、体質から引きます。ただし、知力と自我も1ダメージにつき3点を消費すれば引くことができます。
割り振り方は自由ですが、5点以上のダメージは3つ以上の能力値から差し引かなくてはなりません
9点のダメージを、筋力-4、気力-2、感覚-3と割り振ることにしました。

バストスの番です。運動の対抗RRは「6(運動)+9(2D10)=15」<「12(運動)+10(周辺状況)」、残念ながら攻撃をはずしてしまいました。

バストス
筋力気力運動感覚知力体質自我霊感
1014
攻撃:1D10-1(双歯棒) 防御値:5

スケルトン
筋力 気力運動感覚知力体質自我霊感
1412(0)(0)20
攻撃:2D5 防御値:0

2ターン目:スケルトンの攻撃は「12(運動)+13(2D10)=25」>「16(運動+状況)」で、再びヒット。
「4(2D5)+5(2D3)=9」点の打撃から防御値5を差し引き、4点のダメージです。
バストスは、体質に3点を受けて、あと1点は知力を3点消費して受けました。後に体質に受けたダメージは治らないとわかり、ちょっと青ざめる。

バストスは運動の対抗RRの不利を悟って、「精神戦闘」を仕掛けました。これは、気合いを使って相手のスキをつくって攻撃するという戦闘方法です。ルール的には「気力の対抗RR」となり、攻撃の成否にかかわらず双方の気力を1点消費します。
バストスもスケルトンも気力は4、運動よりは勝ち目があります。
気合いをこめたバストスは、RRの2D10で7を出しました。小人族の魔数です。さらに2D10を振り足して「4(気力)+18(4D10)」>スケルトン「4(気力)+10(状況)=14」、攻撃命中です。
双歯棒のスペシャルヒット率は6%、パーセンテージロールは64、スペシャルヒットは起こりません。これが起こると「ダメージ8倍」とか「すべて体質に集中」など、かなりの威力になります。
双歯棒の基本打撃は1D10-1で9点、筋力(10)の追加ダメージは1D3で3点、スケルトンに防御値はありませんので、12ダメージを与えました。(筋力-6、運動-4、感覚-2) そして、精神戦闘により両者の気力を1ポイント減少させます。
ちなみに、イニシアチブは通常の近接戦闘なら「運動」が高い方から行動ですが、精神戦闘なら「気力」格闘戦なら「筋力」の値で比較します。今回はバストスの気力とスケルトンの気力の差よりも、運動の差の方が大きかったため、スケルトンが先攻となっています。

バストス
筋力気力運動感覚知力体質自我霊感
1011
攻撃:1D10-1(双歯棒) 防御値:5

スケルトン
筋力 気力運動感覚知力体質自我霊感
(0)(0)20
攻撃:2D5 防御値:0

3ターン目:バストスは捨て身で白兵戦を挑むことにします。スケルトンはひきつづき通常戦闘。「筋力」の差は2、「運動」の差も2、と同じなので、同時攻撃として判定します。
バストスの白兵戦から処理します。白兵戦は素手、または短刀などのごく軽い武器を用いて、取っ組み合って闘う状態です。
まず、白兵戦に突入するための判定をします。相手のカウンター攻撃判定をしてダメージを受けなければ、次ターンより白兵戦になります。
「運動」対「運動」のRRは、16対20でスケルトンが勝ち、攻撃を命中させます。バストスはダメージを2点受けて、白兵戦突入に失敗してしまいました。

続いてスケルトンの攻撃です。「運動」のRRは両者とも16。PC優先や防御側優先ということはルールブックに記載されていませんので、命中とします。これは、GMの判断次第でしょう。
ダメージは3点が通りました。「筋力」を2点、残る1点は「自我」を3点消費して代替しました。運動が低いバストスは、じりじりと追いつめられてきました。

バストス
筋力気力運動感覚知力体質自我霊感
11
攻撃:1D10-1(双歯棒) 防御値:5

スケルトン
筋力 気力運動感覚知力体質自我霊感
(0)(0)20
攻撃:2D5 防御値:0

4ターン目:スケルトンの通常攻撃が命中、バストスは2点のダメージを「感覚」に受けました。
バストスの反撃。精神戦闘をしかけます。「気力」のRRに勝ち、5点のダメージを与えます。スケルトンは防具をつけていないので、当たると大きい。(スケルトン:筋力-2、感覚-1、運動-2)。
さらに、精神戦闘をしたので両者の「気力」を1点減らします。

バストス
筋力気力運動感覚知力体質自我霊感
11
攻撃:1D10-1(双歯棒) 防御値:5

スケルトン
筋力 気力運動感覚知力体質自我霊感
(0)(0)20
攻撃:2D5 防御値:0

5ターン目:「運動」の差が同点になったので、通常戦闘を同時に処理します。
スケルトンの攻撃、運動のRRは16対16で命中。2ダメージ(筋力-1、知力-3)。
バストスの攻撃も16対16で命中です。5点のダメージを与えました。(筋力-3、気力-1、運動-1)

バストス
筋力気力運動感覚知力体質自我霊感
11
攻撃:1D10-1(双歯棒) 防御値:5

スケルトン
筋力気力運動感覚知力体質自我霊感
(0)(0)20
攻撃:2D5 防御値:0

6ターン目:バストスの「運動」がついに上回り、通常戦闘でも先攻となります。
「運動」のRRは2D10で10のゾロ目を振りました。クリティカルです!
クリティカル無条件で攻撃が成功し、相手の防御を無視する「奇跡的な打撃」を与えることができます。潜在力を消費した分だけ、追加ダメージを与えることができ、さらに、攻撃側が相手のどの能力値にダメージを適用させるかを選ぶことができる、まさに「奇跡的な打撃」です。
バストスは潜在力を5点消費することにしました。ダメージは、「1D10-1(双歯棒)=7」+「1D3(筋力の追加ダメージ)=3」+潜在力の追加ダメージ5で、合計15点。スケルトンのすべての能力値を合計した値を上回り、スケルトンはもろくも崩れました。
逆転勝利に息をついたバストスですが、永遠に治らないダメージを受けるなど、その代償も大きかったです。

補足:しかし、このレポートを書いている時点で、とんでもないルールの見落としがあることに気が付きました。
小人族の武器の制限」です。背が低い小人族が双歯棒を使うのは、かなりの困難があったのです。
このルールは戦闘ルールの中でも最後の方に書いてあったため、すっかり見落としていました。
戦闘ルール自体が、その1からその24までの選択ルールの集合であるので、今回はこのままレポートを掲載することにします。
「小人族の武器の制限」というルールを適用する場合は、バストスの武器はおそらく短剣やナイフなどになるでしょう。

Bローズの戦闘は、たいへん時間がかかるもの、ややこしいものというイメージがありましたが、基本のルールはRRというシンプルなものです。
これに追加する形で戦闘ルールが提案されています。サンプルに使ったルールの他にも、複数回の攻撃や「受け」についてなど、様々な状況を再現するルールが記載されています。
これらをどこまで盛り込むかは、セッションの前にGMとプレイヤーで合意をつくった方がいいでしょう。
初めのうちは基本にクリティカルなどを加えるくらいがちょうどいいかもしれません。

2001/06/19

■Roads to Lord:パルマの場合

■Far Roads to Lord:チエテの場合


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