Roads to Lord

比較研究論

1.キャラクターの誕生

 Roads to Lord(以下RtoL)はどんな風に変化していったのだろう?  そんな問いを明らかにするために、まずはキャラクターを同時に3つのシステムでつくることから初めてみました。

1.種族・出身

 RtoLのキャラクター・メイキングは最初に種族と出身を決めるD100ロールをします。「妖精族がやりたい!」といっても、自分の思ったとおりに生まれてこないところは、3つのシステムに共通しています。
 10面体ダイスを二つ、えいっと振ります。10の位が8、1の位が7=「87」です。
Roads to Lordのキャラクタージェネレーションチャートを見ると、「ハーフリング」。
Beyond Roads to Lordのキャラクター誕生表を見ると、「小人族」の「山小人」。
Far Roads to Lordのキャラクター出身表を見ると、「丘小人」。
どうやら初代Fローズではホビットのようなすばしこい小人に、Bローズではドワーフのように頑丈な小人になったようです。
種族分布は共通の確率なのか?よく見ると違います。Roads to Lordは人間に生まれる確率は50%、Bローズでは70%、Fローズは59%です。
新しいシステムになるほど種族が増えていますが、従来の種族もその割合は変化し続けているのです。幻想的なイメージのBローズが一番人間族が多く妖精族が少ないというのは意外でした。

2.霊縁・地縁

 霊縁・地縁はBローズから導入された要素です。これを決定することで出身、初期能力値が変わります。初代ローズは次項に先送りにして、霊縁・地縁を決定します。
 霊縁(メディテューン):キャラクターが誕生したときに、どんな自然精霊が影響を与えたかを表します。BローズではD100ロールで、Fローズでは任意に決定します。ここでは、Bローズの「50」=「火(ドゥア)」にならってFローズも「」にして、「狩人」の出身となりました。
 地縁(セルミューン):キャラクターが生まれた地、そのものの影響を表します。Bローズでは、1.種族決定のD100に含まれ「87」=「石(ノイル)」であり、その結果、小人族中の山小人となりました。Fローズでは、D10ロールで決定します。「1」=「光(ファ)」、穏やかな祝福された地に生まれついたようです。

3.能力値

 初代ローズの能力値は「体力」「俊敏性」「精神力」「魅力」の4項目。1D6+基本値で決定します。
体力」は基本値「2」+D6「4」=「6」、「俊敏性」は「9」、「精神力」は「6」、「魅力」が「7」でした。ちょっとすばしこいようです。ハーフリングの基本値は4から7の数値で一番高いのは「俊敏性」、人間だと基本値は3から5になっています。

 Bローズは「筋力」「気力」「運動」「感覚」「知力」「体質」「自我」「調和」「親和」「霊感」の10項目。3D6+基本値で決定します。
 「筋力」は基本値「1」+3D6「13」=「14」、「気力」は「6」、「運動」は「6」、「感覚」も「6」、「知力」は「7」、「体質」は「14」、「自我」は「5」。筋力と体質が高く、頑丈な山小人らしいです。印象を決める調和(どれくらい整っているか)と親和(親しみやすいか)はD6で偶数/奇数で、+/-を決定してから3D6に基本値を差し引きします。「調和」は「-13」、「親和」は「+10」になりました。美形ではないけど、親しみやすいというタイプのようです。この山小人は三角帽子をかぶり、髭小人ほどいかめしくはないそうです。「霊感」は他能力値と同じ決め方で「6」になりました。基本値は-5から2。人間だと0から2です。

 Fローズは能力値「体力」「運動」「感覚」「霊感」の4項目と、魅力値「愛嬌」「美麗」「威厳」「畏怖」の4項目。この8項目は1D6+基本値で決定します。
 「体力」は基本値「2」+「5」=「7」、「運動」は「12」、「感覚」は「10」、「霊感」は「8」、「愛嬌」は「13」、「美麗」は「4」、「威厳」は「2」、「畏怖」は「2」となりました。丘小人(狩人)の基本値は0から7、すばしこく、愛嬌のある種族に設計されています。人間の基本値は0から5になっています。

4.‘クステ’

 これもBローズから導入されました。そのキャラクターが誕生した瞬間に「運命の瞳(ハウクス)」と呼ばれる星の色によって、運命が決まります。たとえば、穏やかな寺院などではツイている、戦場に出ると不幸なことが起こりやすいという風に、キャラクターの運勢に影響します。
 BローズではD100ロールで69、「鷲(ナルルクス)」になりました。晴れたとき、広いところなどで運にめぐまれ、狭い場所、視界がきかないときに不運に見舞われる傾向があります。
 FローズではD10ロールで3、「大龍(ムイルクス)」に決定。悪天候、戦場などで幸運に、晴天、穏やかな音楽が聞こえる場所で不運になるという荒々しい運勢です。これにしたがって「幸運な状況・不運な状況」を決定していきます。各能力値・魅力値に対してそれぞれD6をふって、大龍の表の中からランダムに決定していきます。「体力」と「愛嬌」と「畏怖」が「血の匂いがすると幸運」で、「運動」と「霊感」と「威厳」が「好天だと不運」、「静かな場所」だと「感覚が不運」と、やはりぶっそうな傾向があるようです。

5.技能

 後に詳しく説明しますが、Roads to Lordシリーズの行動判定はRR(リアルロール)と呼ばれています。RRは「基準値(能力値と技能Lvの組み合わせ)+2D」の結果を求めます。

 初代ローズでは技能は、生まれによって特典として与えられます。Lvは1D6で決定します。このハーフリングは「スパイ:4(Lv)」を得ました。他には「乗馬」技能などがあるようです。

 Bローズでは、種族によって生まれつきもらえる特殊技能のほかに、GMに申請して技能修得RRを行い特殊技能を得ることができます。山小人は種族特典として「ガルプ語:15」、「鍛冶・鋳造:10」、「動物学、植物学、鉱物学、工芸、狩猟:5」を持っています。もし、この他に技能を得たい場合はGMに申請します。例として「美学」(芸術、美術品の知識)を希望してみます。この山小人は芸術家なのだと言いはります。GMが認めてくれたら美学の修得条件である「知力のRR>15」に挑みます。結果は「18」、基準となった15を差し引いて「美学:3」を得ました。もし足りなければ、金銭か潜在力(後述)を消費します。
他にも戦闘系、知識・言語系、芸術・芸能系などそれぞれの分野に多くの技能が提案されています。

 Fローズは初代と同じように、技能は出身によって与えられます。Lvは1D6で決定します。丘小人の狩人は「狩猟:4」「動物学:4」を得ました。
他の技能の系統はBローズの特殊技能とほぼ同じ、少し整理されているといったところです。

6.宗教

 Roads to Lordシリーズの背景世界ユルセルームには、スィーラ(守護大神)と呼ばれる神々がいます。伝説では至上神ハヴァエルがスィーラたちを創造し、ユルセルームの守護を命じて送り出したといわれています。実際の宗教は、大きく二つに分かれています。「調和による永遠」を教義とするイーヴォ派と、「破壊による再生」を教義とするデュール派です。イーヴォ派の中には、7神が含まれています。
 初代ローズでは、宗教についてはワールドガイドに紹介されているのみで、ルールとしては組み込まれていません。

 Bローズでは、「加護」という要素が神々の影響を表しています。まず、種族・出身に応じて、関与の深いスイーラの加護が与えられます。小人族は「ガルパニ:2」「デュール:1」「オザン:2」の加護がついています。大ざっぱに言うと、ガルパニはドワーフに信仰されている力強い山の神で、オザンは生命と光をつかさどる神です。キャラクターは任意のスイーラの「信徒」となることができます。
キャラクターは自分が加護を受けている信仰対象に「嘆願」することができます。嘆願は、「一つの信仰対象につき、1シナリオに1回」です。原則として「1D100<加護値」が嘆願ロールの目標となります。嘆願に成功すると、その神の個性にみあった「間接的な奇跡」が起こるのですが、これはGMのアドリブにゆだねられています。
キャラクターは自分が信仰したい存在に対して「1D3の知力を消費」することで「信徒」となることができます。信徒は信仰対象に「気力を消費した祈り」を捧げることで「1ポイントにつき1%、嘆願成功率の上昇」をさせることができます。ただし、嘆願に失敗すると「自我に1D10のダメージ」を受けます。

 Fローズでは、キャラクターは任意に信仰対象を決定できます。ここでの信仰対象は「何を信じているか」という行動原理、美意識、信条ともいえるもので、スイーラの他に歴史上の人物や幽魔族などもリストアップされています。ただし特殊な対象ほど能力値や感情(後述)の喪失などの条件が定められています。信仰対象を決定すると、「特典」を得ます。特定のRRへのボーナスというのが一般的ですが、HPの回復が2倍、道に迷わない、といった特典もあります。
ここでは丘小人のイメージで「“輝きの”オザン」を信仰することにしました。「行動原理」は「生命への慈しみ、死への憎しみ」、「性格」は「純粋で単純」というところがぴったりかな、と。「特典:HPの回復効果が2倍、【愛嬌】のRRに+5」とキャラクターシートに記入します。

7.年齢・性別

 ユルセルームでは人間族の平均寿命は50歳くらいではないかと聞いたことがあります。妖精族などは半永久的な寿命をもっており、鬼族は短命な種族です。
 初代ローズでは、年齢を任意に決定できます。ストラディウム編・拡張ルールに目安として「基本年齢」が記載されています。「ハーフリングは20才」が旬のようです。基本年齢より若いと判定にマイナス修正がつきます。
このハーフリングは「26才」としました。自分よりちょっとだけ年上に設定するのが私のクセです。
性別は基本ルールでは任意です。ナーハン&ラムザス編の拡張ルールでは、「男性になる確率表」が掲載されています。ハーフリングの男性率は50%、ロールの結果は「27=男性」でした。

 Bローズでは、キャラクターの年齢は能力値から導き出されます。「調和、親和、霊感をのぞく」能力値の中で「最も高い値+種族の修正値」になります。
この山小人は筋力と体質が最も高く「14」、それに小人族の修正値「+10」を加えて、「24才」となりました。
性別は任意です。初代にならって「男性」にします。山小人だし。山小人は80%が男性だとルールブックに書いてあるのです。

 Fローズでは、キャラクターの年齢は任意に決定できます。ただし、この年齢によって、経験表を振る回数が変わります。経験表は冒険に出る前の人生を決めていくもので、技能や能力値が上がるものもありますが、山賊に襲われて一文無しになったり、結婚して家庭をつくったりすることもあります。
この丘小人は「26才」に設定しました。初代のキャラと同じだし、経験表も26才を境にして「5回」振れるからです。どうなるかわからないけれど、5回くらいならそんなに極端なことにも当たらないだろうという目論見もあります。ちなみに人間族の26才は6回です。丘小人より短命な分、生き急いでいるのでしょうか。
性別も任意です。初代にならって「男性」にしました。

8.特徴的なルール

 システム独自のルールをここでまとめます。公式のキャラクター作成手順とは違っても、差し支えない要素はここに回しました。

 初代ローズには、「移動力」が設定されています。これは戦闘の際に使用するボードのヘックスを1Rにどれだけ進めるかを表しています。ヘックスとは六角形のマス目で、シミュレーションゲームなどのボードゲームでポピュラーなものです。時代を感じさせます。
ハーフリングの移動力は「4」です。ちなみに人間族は5でした。
それから、「種族としての特典」も説明されています。ハーフリングの特典は「通常の2倍の割合で負傷や疲労から回復する」そうです。回復については後述とします。

 Bローズには「潜在力」という要素があります。キャラクターが自分の実力以上のことに挑んだときに、これを消費して成功率を上げることができます。潜在力は決して成長などで増加しません。これがゼロになるとキャラクターは生きる力を失ったことになるので、安易に使うことはできません。ミッションのクライマックスなどで火事場の馬鹿力的に使用されることが多いようです。
小人族の潜在力は「60」です。

 Fローズの独自ルールは以下の通りです。
感情値」:そのキャラクターがどんな感情を抱いているかを表します。現在値と上限値があります。上限値がコップ(器)で、中に入っている水が現在値というところでしょうか。感情値は10種類あり、冒険の中で上下します。上限値を超してあふれ出すと「激情」状態になり、理性によるコントロールができなくなってしまいます。また、魔法を使用するときはこの感情値をエネルギーとするのですが、ゼロ以下に消費してしまうと「無情」状態となりせっかく覚えた魔法を忘れてしまったりします。
キャラクター作成時は、上限値はすべて20です。現在値は1D10でそれぞれを決定します。この丘小人は、「喜び:8」「悲しみ:7」「怒り:8」「憎しみ:9」「哀れみ:6」「慈しみ:9」「やるせなさ:10」「愛しさ:10」「恐れ:5」「無名の感情:2」……なかなか、波瀾万丈な生活をしているようで、ほとんど平均以上の現在値ですね。気をつけましょう。
HPヒットポイントは、「疲労値」「負傷値」「生命値」の3段階があります。通常のダメージを受けるとまず疲労値から減り始め、これがなくなると負傷値が減り、負傷値がゼロになると行動不能になり、さらに生命値がゼロになると死亡してしまいます。「疲労値=(体力+運動)/2」「負傷値=(体力+感覚)/2」「生命値=(体力+霊感)/2」で計算します。(端数切り上げ)
この丘小人は、「疲労値:10」「負傷値:9」「生命値:8」となかなかタフです。

9.買い物

 さて、冒険に出る前に買い物をして装備を整えます。ユルセルームって武器防具は高いとよく言われますが、さて。

 初代ローズのキャラクタージェネレーションチャートを見ると、ハーフリングは「財産比率:5」と書いてあります。財産比率は「各種族・家系間の所持金比率を端的に表した」と書いてあります。つまり、……いくらなんだ?さらにルールブックを読むと、「シナリオで指示された所持金で…」と書いてあります。つまり、……GMが決めろということでしょうか。困ったのでナーハン&ラムザス編のシナリオ「シリ山脈の氷宮」を開きました。導入部には「所持金は3D6*10Sp」とあるので、これにしたがうことにします。
ロールの結果「110Sp(銀貨)」が所持金となりました。キャンペーンの導入なので所持金が多いような気がするけど、他に見当をつけられるものがありません。首をひねりつつ、ウェポンチャートを見る。武器を扱うには「要求St(体力)」と「要求Dx(俊敏性)」をキャラの能力値がクリアしていないといけません。ジャイアント・アックスはハーフリングには無理なのです。しかも、戦闘のルールを先読みすると、ダメージを受けると能力値が減るようです。「T&T」の経験を思い出せば、あまり能力値ギリギリの武器は選ばない方がいいでしょう。
結局「ショートスォード:打撃力2D-1:必要St2」を購入しました。価格は「4Gp=40Sp」です。高い。これにレザーアーマーを買うと、一銭も残らない。それではあんまりなので、防具は「ローブなどの外衣:効果1:20Sp」にします。中は「通常服:15Sp」を着る貧乏ファッション。旅人の日用品も細々と買いそろえました。「ナイフ」「寝袋」「火打ち石」「トーチ」「傷薬2個」「保存食3個」これで「16Sp」を消費して残金は「29Sp」となりました。重量的に「体力6」めいっぱい近くになってます。戦闘になったら荷物を手放さないといけませんね。

 Bローズの場合、キャラクターの年齢が所持金に影響してきます。「1D100+年齢*4Cp」が山小人族の計算式。山小人、髭小人は多めの所持金を持っています。宝石細工だとか貴金属を扱うことが多いからでしょうか。計算は学校で習ったとおり、かけ算から先に行います。ちなみにこれは目安だということです。
このキャラクターの所持金は「62+24*4=158Cp」です。1Cp(銅貨)は日本でいう5000円くらいだそうです。武器・防具のルールを見ると、今度は値段が書いてありません。「ビヨンド・ローズ・トゥ・ロードでわかる実践RPG入門(BNN出版)」を開いてみます。提案されている追加ルールの中に「武器の価格計算式」を発見、今回はこれを利用することにしました。
武器の価格=(潜在力+スペシャルヒット率+基本打撃)*1Cp
補足すると、Bローズでは武器にも「潜在力」があり、その武器に宿る精霊の力を表しています。
キャラクターの「運動>操作性」「筋力>要求筋力」の条件を満たした武器で、山小人らしいもの……このキャラクター、運動は3D6+1で6という低さ。斧は使えない。「ガーダス(双歯棒)」にしてみました。材質は木なので、上記の価格公式の10分の1になります。
(12+6+9)*O.1=2.7Cp」となりました。基本はCpなので四捨五入して銅貨3枚にします。安い、さすが棒。基本打撃が1D10-1では、あまり戦うのにおすすめしませんが。
それにしても防具には価格がありません。目安もないので、Fローズの価格表を調べました。そして共通している一般装備の価格を比較してみます。Bローズだと通常服は青銅貨3枚ですが、Fローズだと銀貨1枚。ものによりますが、Fローズの方が3倍から10倍の価格になっています。しかたがないので、3分の1価格でBローズにコンバートしてみました。「ピロン(布製の服):10Cp、シグリタ(木皮と布の鎧):17Cp」で「合計防御力:5」になりました。
一般装備は目安となる価格が記載されています。「火打ち石」「トーチ」「小型テント」「寝袋(綿)」「保存食:3日」「革袋」「蒸留酒」「ツツン(ノミ)」を購入して、残金は「銅貨:117枚、青銅貨:7枚」となりました。金持ち?

 Fローズの場合は、所持金、所持品ともに出身を決めたときに提示されています。丘小人の狩人は「2D6枚の銀貨=5Sp」が所持金。所持品は「短弓」「煙草」「火打ち石」「小人の焼き菓子:3食」を持っています。他の買い物は次項にまわすことにします。冒険前の経験によっては無一文になったり、所持金が増えたりするからです。

10.冒険の前に

キャラクターの名前、性格、経歴などを考えます。

 初代ローズのハーフリング君は、「パルマ」という名前をつけました。26才のすばしこいハーフリングのパルマ君は、ユルセルーム大陸中南部のナーハンに生まれました。幼い頃から好奇心旺盛だった彼は、ヒュノーの鬼族から人間の旅人を助けたことをきっかけに、旅に出ました。結婚する前にもう少し動乱の世界を体験してみたくなったのです。お金はあまりないけれど「なんとかなるさ」を口癖に楽天的な旅をしています。

 Bローズの山小人は、「バストス・クリチーバ」。ドゥーロンの岩山にある山小人の集落に生まれ育ちました。金属を加工して美術工芸品的な家具を造ることをなりわいとしています。山小人の中では親しみやすい人柄の彼は、人間の商人との交渉役でもあります。外界に出かけるのも嫌いではなく、納品のために短い旅をすることもあります。

 Fローズの丘小人は、「チエテ」という名です。経歴は「経歴表」にて決定していきます。26才の彼は5回のロールをします。
まず、出身地はパルマと同じナーハンにしました。「ナーハンの経歴表」を見ながら「1D10」ロールをします。「吟遊詩人から手ほどきを受ける。<詩歌>の技能を得る」ということで、1D6の結果「詩歌:6Lv」を得ました。これをきっかけに旅に出た彼の人生はどうなったか……。
ラムザス(草原の騎馬民族国家):キャラバンの警備に雇われ<馬術:5>」、「ヴァロン砂漠:砂占いに興じ『霊感』が一段階成長」、「ローダニゾン(西方の軍事国家):高山地帯で鬼族と戦う。『運動』が一段階成長」、「アウロン(喪われし妖精の国):アウロンの浜辺を歩き回り『霊感』が一段階成長」。
危ない地域を歩いている割には、まずまずの旅をしてきたようです。成長のしかたは後にのべますが、これで「霊感が2ポイントの上昇」をしました。運動はロールの結果上昇しませんでした。これをうけて「HPの生命値は1上昇」。ちなみに、普段のわたしはHPの計算を最後に行っています。
 おっと買い物を忘れていました。財産の増減はなかったので手持ちは銀貨5枚。これでは短剣も買えません。仕方がないので「戦棒(ワイエノリク):打撃1D6+6:銀貨1枚」を購入しました。護身用の杖、というか固い棒っきれです。防具は鍋(モイモイ)を盾に、小鍋(マイマイ)をヘルメットがわりにします。残りは2Sp、大事にしましょう。

さて、「なるべく同じ条件で」と念頭におきながらの3世代同時進行キャラクターづくりは、いかがだったでしょうか。これだけでも、各システムの違いをあらためて気付くことがたくさんありました。 もちろん、このルールの解釈がすべて正しいわけではありません。むしろ、Bローズ、初代ローズでのプレイ経験が浅いわたしに、リアルタイムで遊んでこられた方々のルールの解釈、矛盾の解決策を教えていただきたいと願っています。
次章では、この3人のキャラクターが、同じ条件のもとに置かれたときに、どのようにルールがはたらき、どんな確率で、どんな結果がおきるかを検証していきたいと思います。
文中のわかりにくかったところ、疑問、提案など、ご意見・ご感想をお待ちしています。

1999/12/21
改訂:2000/01/15

■キャラクターシート

初代Roads to Lord  パルマ
Beyond Roads to Lord  バストス
Far Roads to Lord  チエテ

Back    Next
Plaza    Mail