Far Roads to Lord 冒険記録集

わたしが子どもだったころ

date:'96/03/06   GM:うらべっち


あの災いから10年。 トラジャの村で跡は子どもたちが「萌えぎの家」で自給自足の生活を送っている。当時、幼かったために呪いをまぬがれた子らも、それぞれ自立し「家」を出てゆく。
そんな中、双子の兄弟が4年ぶりに再会の約束を果たすため帰郷する。
10年前、村を救った騎士クウォークも再び村を訪れる。かつての暮らしを懐かしむ兄弟たちだが、村の近くに存在する遺跡の調査に、ヴァンス家の騎士が来た。
かつて災いが起こる源となった、ヴァンスの家名……。再びトラジャは災いに巻き込まれるのか?

 4年前に初めて「家」を出た双子のレイヴァとユイレムは、そのおりに交わした再会の約束のために帰郷する。村に入ると、幼い頃みんなで入った金色の湯や、汗を流して働いた麦畑などをまわるうち、兄弟は再会する。兄レイヴァは羊飼い、弟ユイレムは軍隊に入り軍功をあげ異例の出世頭となっていた。弟の方が地位は上になっているが、相変わらずにこやかに兄を敬う。しかし、レイヴァは弟の無邪気な見かけとは裏腹のしたたかさを知っていた。

 10年ぶりにクウォークはトラジャを訪れた。「家」の代表であるイーヴォ司祭ロイド・ヴァンス卿と元女騎士だったルーデリー・ヴァンスと子どもたちの成長ぶりなど懐かしく語り合う。その間、久しぶりに会う子どもたちは森でかくれんぼに興じる。川釣りで収穫した魚を夕食にしていると、めずらしく見慣れない男たちが声をかけてきた。騎士の装束をまとう男たちは、ロイド・ヴァンスの領地だった山中の洞窟を調査したいという。ロイドは苦い声で「もうわたしはヴァンスの人間ではない。勝手にするがいい」と答える。深夜子どもらは大人たちに黙って洞窟の探検に山中へ入ってしまう。

 洞窟は子どもたちが予想する以上に危険な場所だった。子どもたちを探しに来たクウォークは年長のレイヴァとユイレム以外の子たちを帰らせる。三人は洞窟に入っていった騎士たちを追う。怪物との戦いをかわしつつ進むうち、ゴイレルと戦闘中の騎士たちに追いつく。騎士たちに加勢してゴイレルを倒す。「この子たちがトラジャの生き残り!」目を見はる彼らに、クウォークは10年前の出来事を語る。この子たちをもう二度と災いに巻き込みたくはない。この洞窟の調査を命じた魔術師にそのわけを聞きたいと交渉する。三人とロイド卿は騎士たちとともにファラノウムに赴くことになった。

 ハッセン・ヴァンスという老女は長年にわたり魔導の研究をしてきた。そして、昔の大戦で使われたらしいデュラと通じる門が封じられていることをつきとめ、騎士たちを派遣した。これからの戦争に備え、この門の研究は重要な課題となる。ずっと一族のつまはじきとされていた自分も認められるようになる。反対するロイドの説得も通じない。10年前の事件の真実、ハッセンの弟子が村に災いをもたらした事実を知りユイレムは反撃を決意した。

 ユイレムは軍装をまとい、部下たちを引きつれてハッセンの研究所に乗り込む。軍がハッセンの研究成果を利用したいという名目で研究成果を差し出させる。そして、軍に帰ると上司に「デュラの間者」としてハッセンの所業を密告する。ヴァンス家はハッセンを見捨て、ハッセンは間者として裁かれ国外追放の処分を受ける。急展開にあっけにとられる兄の前で「どうしたのお兄ちゃん」ほほえむ弟。恐るべき14歳であった。

 トラジャの村の「萌えぎの家」は災いを免れた。レイヴァはへリアの学院で魔術の勉強を志す。魔術とはなんなのか、幸福をもたらすものなのかを知りたいと願って。ユイレムはファラノウムの軍隊でさらなる出世をめざす。クウォークは長年の念願がかなって剣術の道場に通い始めたらしい。だが、彼らが自分の過去を清算するにはさらに3年を必要とするのだった。

旅人の記録
名前性別種族・出身名前性別種族・出身
クウォーク・トゥ・ティーレ男・31歳人間・騎士レイヴァ・アンゲリア男・14歳人間
ユイレム・アンゲリア男・14歳人間


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