date:'98/5/5 GM:うらべっち
それぞれ理由あって旅をしていた3人は、森の奥深く、洞窟の前で出会った。この洞窟は噂では伝説のお宝があるという。洞窟探索に不慣れな一行を、銀短刀の精霊が陰から支える。不思議な音色が響く洞窟で見つけた宝とは……。
深い森の奥には伝説のお宝があるという洞窟の入り口。噂に惹かれてやってきた3人は、洞窟を見つけたうれしさのあまり、灯りも持たずに進入してしまう。3時間の迷走の末、ゴイレル(ガーゴイル)と遭遇。力を合わせて戦うも、あっけなく敗退してしまった。
「後ろへ向かって前進じゃあ~っ!!」
王位継承権を持つ山小人トリルノーヴァの威厳ある一声が撤退の合図だった。
洞窟から出てくるとすでに夜。体勢と立て直そう、とキャンプを張ることになった。しかし、疲れのあまり誰も見張りをせずに眠りこけてしまう。
トリルノーヴァの持つ銀短刀が輝く。持ち主が夢を見ない睡眠をしているときに現れることができる銀短刀の精霊セルヴァーが出現する。かいがいしく、見張りをし、木ぎれを集めてたいまつをこしらえる。
何も知らずに目を覚ましたポーンとシレルはびっくり。トリルノーヴァは、セルヴァーの気づかいにそっと感謝するのだった。
3人はふたたび洞窟に入り、ゴイレルにリベンジを試みる。
しかし、かなわない。あわや返り討ち、というところで午前中なら条件が合うセルヴァーが現れる。両手を振って炎の球体をぶつけると、あっさり怪物を倒してみせた。
次の日の巨大ハサミムシとの戦闘ではセルヴァーの力を借りることなく撃破。うかれ気分で歩いていると、水流の向こうに光る宝珠を発見した。水流を渡らんとするトリルが、足をすべらせて流されてしまう。地下水流の分岐点まで押し流され、ようやく岸にしがみつき九死に一生を得る。しかし、銀短刀を水流におとしてしまった。ポーンとシレルの協力でようやくサルベージに成功する。
銀短刀の精霊セルヴァーと宝珠の精霊が語り合う。彼らは以前、同じ王国で生まれたのだった。そして、3人が探検の中で発見した打楽器タムタムも。3人はそれぞれ宝珠、銀短刀、タムタムを手に、洞窟の出口へ向かう。
しかし、洞窟の出口は閉じられていた。
「資格なき者が、宝を持ち出すこと許さず」
そんな意の文が刻まれている。
「音と心を響きあわせてハーモニーをつくるのです」
宝珠の語るとおり、歌と手拍子とタムタムの音色で、洞窟の中に妙なる音楽が響き渡る。宝珠にぶつかった音は複雑な残響を引き起こし、3人は天にも昇るような音楽に包まれる。
森の中で3人は目を覚ました。そばにはキャンプのあと。あれは果たして夢だったのか?だが、それにしても気分が爽快だ。
銀短刀は今まで通りトリルノーヴァの手にある。では、ポーンの枕元にある不思議な打楽器はどこからきたのだろう?
3人は首をひねりつつ森をあとにした。心の中ではいつまでも、あの妙なる音楽が鳴り響いていた。
旅人の記録 | |||||
---|---|---|---|---|---|
名前 | 性別 | 種族・出身 | 名前 | 性別 | 種族・出身 |
トリルノーヴァ・ガドラファン | 男・70歳 | 山小人 | ポーン | 男・18歳 | 有角人族 |
シレル | 女・600歳 | 森妖精 | セルヴァー・デューイト | ?・30歳 | 銀短刀 |