Far Roads to Lord 冒険記録集

光あるうちは光の中を

わたしが子どもだったころ:2

date:'96/03/06   GM:うらべっち


 17才になったアンゲリア兄弟と、剣士となったクウォークがファラノウムで再会する。街の噂は、トラジャの村を惨劇に追い込んだヴァンス家の当主ケイスリーが、死にいたる病に冒されていることを知らせている。復讐を誓っていたレイヴァ・アンゲリアは自分のしたいことが見つからず悩む。軍で出世した弟ユイレム、彼らの幸せを願う剣士クウォークはレイヴァを支援するが……。

 ヴァンス家への憎しみを胸に、へリアの学院に入学したレイヴァ。しかし、思いを消化できず、酒と遊びに溺れ3年を費やしてしまう。師の忠告もあり、自分の甘さに気づいたレイヴァは学院を休学し、聖都ファラノウムに旅立つ。
 一方、世渡り上手のユイレムは、軍でも最年少の軍師になりつつあった。
 ファラノウムで先にクウォークと再会した彼は、二人で歓迎の横断幕を準備して兄を待つ。

 ヴァンス家の当主ケイスリーが死にかけているという噂にレイヴァは激しいショックを受ける。
ユイレムは兄を豪華な料亭へ連れていく。そこではケイスリーの孫娘エヴァが歌姫をしている。ステージの最中に伝言を受けてエヴァは店を飛び出していく。後を追ったレイヴァは、道に迷い娼館に入りかけて逃げ出したりした末にヴァンス家にたどりつく。
門の前で様子をみていた彼は、出てきた医師に話を聞く。ケイスリーは危うい魔力に近づきすぎたため、手足が石化していく病気だという。レイヴァは医師に頼み込み、助手として診察につきあわせてもらう約束をした。

 なんとかレイヴァの力になりたいと願うクウォークは、徹夜でトラジャの村まで戻った。義父ロイド・ヴァンスからアーティクルの鏡「現し夢みるシャーレイ」とヴァンス家の紋章を借りるためだった。
「復讐は何も生まない」
 義父からの伝言にレイヴァはうなだれる。

 医師の手引きで実際に見たケイスリー・ヴァンスは、弱々しく横たわる老人だった。
もう、手の先が完全に石となっている。そっと手に触れたレイヴァは「歪んだ輪の中で赤い木の枝が枯れていく」ビジョンを見た。

 レイヴァは弟の紹介で孫娘エヴァと会い、自分の過去と復讐の思いをいだいてきたことを語る。
「ぼくはどうしたらいいんだ……!」
話すうちにレイヴァは激高して泣き崩れてしまう。

 真実を見せる鏡の精霊シャーレイは問う。
「あなたが見たいものをうつすのですか? それとも真実を?」
「ぼくは…自分の見たいものが知りたいです」
シャーレイが導く夢の中で、レイヴァは自分がケイスリーを許すのを見る。
自分が望んでいるのは復讐ではない。確信を得たレイヴァは再度ケイスリーを訪ね、真実を語る決意をする。

 死の床につくケイスリーのかたわらに、アンゲリア兄弟とクウォーク、エヴァ、医師が集う。
過去、身内が犯した事件の被害者が目の前に現れたことに、ケイスリーは懺悔する。
そして、レイヴァの頼みを受けて、もう二度と魔術のために人命が失われることのないよう、学院の規則に新たなる一項を加えさせる。
「光あるうち光の中を歩め」
それが、ケイスリーの最期の言葉だった。

旅人の記録
名前性別種族・出身名前性別種族・出身
クウォーク・トゥ・ティーレ男・34歳人間・騎士 レイヴァ・アンゲリア男・17歳人間
ユイレム・アンゲリア男・17歳人間


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