Far Roads to Lord 冒険記録集

金のタマゴ

date:'00/11/19   GM:司 史生


有名な温泉地ガイノルプに逗留していた旅人たちは、金の卵を探してほしいという学者と出会う。町、森の中、温泉を探索する中で、彼らは事件の真相に近づいてゆく。

 ガイノルプの温泉宿『かわづ亭』に宿泊、あるいは余興の披露に来ていた旅人たちに、中年の学者が声をかけてきた。学者ルーファスは「金の卵を掘り出し、輝く城に捧げる」夢を見た、その卵を見つけた夢の風景がこのあたりだったと言う。足の悪い彼にかわって金の卵を見つけだして欲しいという頼みを引き受ける旅人たち。いつも狩の仕事をしている所のすぐ近くだからとか、いい物語ができそうだから、とかそんな理由で。

 依頼を受けたのはもう日が沈んでからのこと。せっかくだから温泉を楽しもうよ、とそれぞれ名物の温泉に出かける。唯一男女の仕切りがある西の湯に入ったカリナは、上がりしなに出入口で騒ぎを聞きつける。「待てーっ!」という番台の親父の叫びを聞き、飼い犬のペロを走らせる。ペロが捕まえたのは活発そうな少年。お祭りの飾り玉をいじっていたために、盗もうとしていると親父に誤解されたらしい。もうこんなことしちゃだめだよ、とカリナは「神様に捧げられたものをいたずらして不幸になった少年の話」を語って聞かせる。

 あくる日、一行は森の中へむかう。罠師の丘小人ラン=チイの案内で途中までは順調。しかし、テリトリーをはずれたとたん道に迷ってしまう。しばらく行ったり来たりしたあげく、何者かの野営跡を発見。さらに進むと、山師のパルムと出会う。彼は何か捜し物をしているようだ。お互いに詮索せず、(しかし横目で見つつ)先に進む。

 不思議なキノコの輪。「危ない、それは……」と誰かが言いかけるうちに踏み込んだ祭司リュノイの姿が消えた。「……妖精の輪」
どこへ飛ぶかわからない妖精の輪に消えてしまった彼を追うかどうするか。妖精の輪に向かって魔法(癒しの調べが発動)をかけてみたり、石を放り込んでみたりするが進展はない。棒の端を持って輪の中に入ってみたトラムンは、何も起こらないと手を離した瞬間に消えてしまった。任務よりこちらの方が面白そう、と楽士のユリオンは興味津々。耳をすますと、かすかに水の音が感じられる。トラムンが溺れているのでは、とユリオンは輪の中へ。迷っているラン=チイを輪の中に放りこんでおいて、オザリとカリナは顔を見合わせ輪の中へ。

 輪の中に消えたリュノイは、お湯の中に落下した。どうやら温泉?
「おや、また人間ですか」のんきな声に振り向くと、森妖精が温泉につかっていた。次々とお湯に落下してくる旅人たち。背の小さい小人たちは大騒ぎになる。
森妖精のすすめで服をかわかす間、温泉に浸かって話しを聞く。どうやらここは市街地から半日ほどにある谷間の湯らしい。元の場所に戻る妖精の輪もあるようだ。すっかりいい湯を浴びた後で、森妖精に案内してもらった妖精の輪に入り再び森へ帰る。

 先へ進むと、二股に枝分かれした木が立っていた。依頼人が言っていた夢の風景と同じだ。ここにタマゴがあったはず、と木のウロを探ると中には一枚の札が残されているだけだった。札からは「混じり合う色の六芒星を縛る鎖」のイメージが感じられた。いったいここには何があったのか? この札は10年くらい前のカレンダーの切れっ端の裏側に書かれているようだ。とりあえずその札を手に引き返すことにする。

 さきほどの山師は地面に這いつくばって捜し物をしていた。彼はどうやら卵を探しているらしい。めずらしい金の卵だから町の錬金術師ザジに売れば金目になるだろうというのだ。しかし卵が転がっていって見失ってしまった。いっしょにそのあたりを探し回るが卵は見つからない。だれかに持ち去られてしまったのか、それともすでに孵ってしまったとか。

 夜になったので町に帰って依頼人のルーファスにざっと報告。錬金術師のザジを訪ねる。怪しい小屋に住むザジの話しではこのお札は強力なものらしい。しかもまがまがしいものを押さえる札だとか。ザジでさえ持ってこられても困るという金の卵。本当に依頼人に渡してしまっていいものだろうか。彼らに疑問がめばえる。

 翌日、再び谷間の温泉に行き昨日の森妖精に会う。彼に札を見せると、この筆跡は仲間のエルスィクスが書いたものだろうとこたえる。案内にしたがってエルスィクスを訪ねるが、彼は不在だった。森妖精の話しでは、戦乱が終わった10年前ごろにエルスィクスが、不思議な卵を発見した。どうしようかねぇと相談しあって3年後に封印をした。森妖精のテンポに呆れる人間たち。

 しばらく探し回ったあげく、丸くてキラキラしたものが好きな先日の少年に聞いてみようということになった。町に帰るが、飾り職人の息子である少年パルはまだ家に帰っていない。依頼人のルーファスにトラムンが報告に行く。なんとルーファスに卵の情報が入ったという。あの山の中で会った山師のようだ。

 パルが夜中になってもまだ帰らないので親が心配して捜しに出る。カリナの飼い犬パルが少年の匂いを追う。町中のお祭り飾りのある場所をまわったあげく、町のはずれの小屋へ向かう。小屋の中では山師と、縛られた少年パルの姿が。踏み込んだ一行はあの卵がいかに危険なものか、持ち主の妖精を怒らせるとどんな目にあうかと山師を脅し、パルを救う。カリナは少年を説得し、卵を封印するためにその場所を聞き出す。パルは飾り玉の中に隠したがどこの飾り玉か忘れたというので、方々の飾り玉を確かめてまわる。

 宿屋の飾り玉を奪おうとしていた山師に、トラムンがタックルをくらわす。転がった卵を拾い上げるのは依頼人のルーファス。一行6人と山師、ルーファス、犬、少年の父親が入り乱れての大乱闘になる。トラムンは山師を横四方固めに押さえる。一人になったルーファスは降伏して、逃げ出す。飾り玉に入っていた卵にリュノイが封印の札を貼る。

 卵を探して町に来ていた封印の主エルスィクスに会う。この卵は10年前の戦争期に逃げたデュラの魔導師が置いていったものだった。このままでは卵が孵って幽魔が生まれてしまう。熟考して3年後にとりあえず成長を封じる札を貼った。たぶん依頼人はデュラの回し者だったのだろう。

 どうしようか、ということで6人は相談する。妖精たちにまかせたら何年かかるかわからない。イーヴォの祭司リュノイが、ファラノウムかヘリア学院か、とにかく永久に封印できるようなところへ持っていくことを申し出る。仲間たちもそれぞれに旅をともにすることにした。
祭りの日、少年パルの父につくってもらった卵のレプリカを手に手に、6人と1匹は西方への旅に出るのだった。



旅人の記録
名前性別種族・出身名前性別種族・出身
オザリ男・23歳人間・農民リュノイ男・19歳人間・祭司
トラムン男・50歳山小人・語り部ラン=チイ男・27歳丘小人・罠師
ユリオン男・32歳人間・職人カリナ女・34歳有角人・語り部


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