紺屋・川﨑染工場で天然藍染め体験してみた

夫と2人で藍染め体験

夫と2人で藍染め体験


弘前の行きそで行かないとこへ行こう企画(with夫)。
弘前城北門の向かいにある紺屋・川﨑染工場で藍染め体験してきました。
休日だった夫と2人でハンカチとおまけにあるものを染めてきましたよ。

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紺屋・川﨑染工場とは



台風19号で発見された江戸時代の藍甕

台風19号で発見された江戸時代の藍甕

江戸時代、津軽藩がこの地方を統治していた頃、100軒はあったという藍染めの紺屋。
かつては武士の羽織袴を染めていた紺屋も、明治になり廃藩置県、化学染料の普及の為に下火になって廃業していきます。
こちらの川﨑家も休業していたけれど、平成3年の大型台風でこの建物の一部が倒壊し、土の中から江戸時代に使われていた藍甕(あいがめ)が発見されました。
それをきっかけとして、当時の建物を復元し、津軽天然藍染め体験ができる工房として県外からも足を運ばれる場所となりました。

川崎染工場ホームページ

という歴史を、お店のガイドスタッフさんから教わりました。
江戸時代からの建物の仕組みが残っていて、「へぇ-!」と感嘆することしきりでした。

藍は生きている

藍染めについての説明もオプションで受けられるとのことでしたので、もちろん聞いてきました。

まず、藍染めに使うのは、このアイの葉っぱの部分だそうです。
自然にしておけば夏にはピンクの花を咲かせるのですが、花を咲かせる前に葉を摘むそうです。
お店には鑑賞用としてアイの花も飾られていました。


アイの葉

アイの葉

アイの花

アイの花

乾燥させたアイの葉

乾燥させたアイの葉

乾燥アイを発酵させたスクモ

乾燥アイを発酵させたスクモ

アイの葉を乾燥させて、それに水をやったり、かきまぜたり、置いたりして、時間をかけて発酵させて「スクモ」を作ります。

スクモと木灰の灰汁(あく)を合わせ、発酵させます。
「藍をたてる」と言うそうです。
下の写真には4つの藍甕が写っています。同じものが奥にもう一組ありました。
蓋を開けた藍甕を見ると、泡だっています。これが「藍の華」


藍は生き物です。
藍をたててから2ヵ月ぐらいが一番勢いよく染まり、半年から1年でだんだん薄く枯れた色になり、やがて染められなくなると、畑の堆肥になるそうです。
そのため、藍をたてた日=誕生日は、「い」「ろ」「は」と書かれた甕ごとに記入されています。
また、発酵を進めるためにブドウ糖や水アメを与えます。一番好きなのは日本酒だそうです。のんべえなアイちゃん。
温度管理も大事で、電熱ヒーターと温度計が中央にありました。
もう、頭の中では「かもすぞー♪」とマンガ「もやしもん」よろしく微生物が甕の中でうたっている気がしましたね。

ハンカチ(+α)染体験しました

せっかくなので、藍染め体験もさせてもらいました。
ただ染めるだけじゃなく、模様も付けられるとのことです。
4種類の見本から、わたしは右端の「銀河花火」をチョイス。


そして、工房のおねえさんに「あの、これもいっしょにやらせてもらっていいですか?」と差し出したのが、キセカエヤの「わたしのドールワンピース」用に作った白いワンピース。
8.20「わたしのドールワンピース」デビュー! ほのぼのかわいくできました。 - キセカエヤ

…奥で相談されてました。
「計れない…けど3gくらい…?」

「追加120円でいいですか?」
「はい、お願いします!」

持ち込み素材はグラムで計るようですよ。


人形服とハンカチ(染める前)

人形服とハンカチ(染める前)

つまんでねじってカゴへ

つまんでねじってカゴへ

銀河花火模様は、まず水に濡らします。
ハンカチをところどころつまんでねじって、中央にむかってまとめます。
人形服のはつまみあげるのが難しいので、くしゃくしゃとシワを寄せました。


その状態で、ハンカチと人形服を網で挟んだカゴのようなものに入れます。
夫は乾いたままのハンカチをなにやら輪ゴムで縛っておりました。

2人とも藍染めの割烹着を着て、ゴム手袋を装着します。
(1枚目の写真はその時に撮ってもらいました)

そして、木灰汁に漬けてアルカリ性にします。


カゴを藍甕に浸します。
手を離すと1m近くありそうな底まで沈むので、中腰で待つこと2分。
自分もゴム手袋をして藍甕に向かっていたので、自分の写真はありません。
夫はカゴ無しで、しばったハンカチをそのまま漬けていました。
2分後にタイマーが鳴ったら引き上げて、空気にさらします。
空気に触れることで酸化して色が変わるそうです。化学だ。

好みに応じて、同じ事を2~3回繰り返します。
ワンピースは2回でカゴから出し、ハンカチは3回染めてみました。

中腰なので、背高な我々はけっこう腰にきてます。


引き上げたハンカチ、やや緑

引き上げたハンカチ、やや緑

水を替えて2回すすぎます

水を替えて2回すすぎます

藍色に変わりました!

藍色に変わりました!

甕から出したばかりのハンカチは、やや緑がかった色でしたが、水洗いを2回するときれいな藍色になりました。


染め上がったハンカチと人形服

染め上がったハンカチと人形服

伸子(しんし)で伸ばして干す

伸子(しんし)で伸ばして干す

竹ひごの両端に針がついた「伸子(しんし)」をハンカチの対角線に2本刺して伸ばし、凧のようにします。
そして、干すこと10分くらい。
その待ち時間の間、展示やお土産屋さんを眺めます。

目もくらむこぎん刺しの作業着


むかしの作業着(前)

むかしの作業着(前)

作業着(後)

作業着(後)


アイのお茶

アイのお茶

藍染めをする藍場の手前に和室があり、昔の作業着が展示されていました。
下が透けて見える麻の生地に、防寒と補強の為に刺された津軽こぎん刺しがびっしりと…!
昔の農民は木綿を着ることが許されず、東北の冬をこの麻に刺し子をした作業着でしのいだとか。
想像するだに寒すぎる!
そして、このこぎん刺しの一針一針を思うと気が遠くなる!
これ、白い部分が全部手で刺した糸なんですよ、恐ろしい。

アイの葉で淹れたお茶をいただいて、ホッと一息。
ちょっと発酵させたお茶っぽい鉄観音茶系?なお味でした。

出来上がり!


わたしの銀河花火

わたしの銀河花火

夫の輪ゴム模様

夫の輪ゴム模様

そうこうしているうちにハンカチも乾いてできあがりました。
「模様に性格が出ていますねぇ」
とおねえさんに微笑まれました。
いや、なかなかどちらも味わい深い。
人形服は縫い代など乾ききっていなかったので、袋に入れて持ち帰りました。

この藍染めワンピースをリカちゃんたちに着せた画像は、キセカエヤblogに掲載しています。


藍染め、こぎん刺し、縄文模様のお土産品もたくさん


川﨑家に入ってすぐはお土産屋さんになっています。
藍染め体験しなくても、こちらでお買い物はできます。
藍染め製品、こぎん刺しの布小物、弘前で出土した土器の模様からとられた縄文デザイングッズなど、色々ありますよ。

今回は、(ハンカチ染900円+藍染めの説明付き見学200円)×2人+持ち込み120円=2,320円で、楽しませていただきました。
工場のおねえさん方、ありがとうございました!



川﨑染工場
住所:青森県弘前市亀甲町63
電話番号:0172-35-6552(藍染め体験は要予約
営業日:木曜定休
営業時間:9:00~17:00(11月~3月は9:00~16:00)
川崎染工場ホームページ