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それで、ハンドメイドって稼げるの?という疑問について考えてみた

キセカエヤ、こぎん刺しマカロンバッグ

キセカエヤ、こぎん刺しマカロンバッグ


前回、弘前ではハンドクラフトが盛んで、毎週のようにハンドメイド関係のイベント・体験ワークショップが開かれていることを書きました。
レジンとこぎん刺し、初心者歓迎のワークショップでハンドメイド体験してきました

先日、TBS番組「私の何がイケないの?」でも、【ハンドメイド芸能人が手作り品を売却!いくら儲かる?】という特集を組んでいたそうです。

子育てしているから外に働きに行きづらい→在宅でできる仕事をしたい→手芸・ものづくりが好きという主婦層に人気のハンドメイド。
では実際にハンドメイドでどれだけ収入を得られるのか?ということについて、「キセカエヤ」の経験から考えてみました。

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わたしがキセカエヤを始めるまで


たしか16歳頃の写真

たしか16歳頃の写真

わたしは小学生の頃からジェニー人形が好きで、高学年の頃から当時発刊され始めた「ジェニーファッションクラブ」→「JenNy」誌を買っては、簡単そうな服から作るようになりました。
中3から通っていた札幌のフリースクールでバザーをした時に、友だちにも協力してもらいながら、数十着の人形服を作り、1着数百円~千円(写真のドレスセット)という価格で1万円以上を売り上げたこともあります。(収益はフリースクールの運営費になりました)

大人になり、就職して東京へ行っても、実家から人形と型紙本を送ってもらい、たまにチクチク縫ったりしていました。
地方事務所で1人で仕事をしていた時も、休日に100均のハンカチを手縫いでワンピースにしたりしていましたね。

2006年から「うちのジェニー」という人形専門のブログを作り、自分のコレクションしている人形や作った服の写真を投稿して、ブログつながりでの友だちも全国にできました。
(ブログ名は、後にうちのジェニー+リカちゃんからキセカエヤに改称しています。
キセカエヤ

始めた頃が11歳だったとして、今年で30年目になるわけです。
もちろん、ただの趣味でブランクが長い時期もあったので、ずっと縫い物していたわけではありませんが。

弘前に移住して、子連れで見知らぬ街をさまよい歩いていた時期。
「ハンドメイド 弘前」で検索してたどり着いた「SWALLOWTAIL(スワロウテイル)」の店舗で開かれていたワークショップに参加したことがきっかけで、弘前のハンドメイドをする方々とつながり始めました。(※現在、SWALLOWTAILは店舗での活動をしていません)
SWALLOWTAILの内本明美さんがドール趣味もあって、イベントに共同出店したことがキセカエヤの始まりでした。
「キセカエヤ」はじめます。 - キセカエヤ

キセカエヤの最高売上は1日15,000円でした



ざっくり書きますが、キセカエヤの最高売上は、今年6月のSamsara2015で15,000円でした。
売上のほとんどがドールドレスデコ体験ワークショップで、1着800円で16着を完売しました。
10時から15時で完売するまで、お昼休憩以外はほとんど接客している状態でした。
完成品の販売はほとんど用意していなかったので、過去のイベント出店時に用意していたものだけ数点を売りました。
この日の収支としては、
収入:売上15,000円
支出:
出店料(パンフ代)3,000円
材料費(梱包・ディスプレイ含む)約3,000円
収支:約9,000円の利益
ぐらいです。材料費がアバウトですが、これまでの在庫布やディスプレイ用品などをカウントしていないので、1から準備すればもっと経費がかかります。

1日9千円の収入ならやってみたいと思いますか?

製作期間が3日間+イベントが1日で4日間かかりました

このドレスの製作は3日間かかりました。
これは昨年のイベント準備の時に作った動画ですが、同じ工程で1回10着以上作っています。


量産できるように工夫して作った型紙ですが、すべてミシンと手作業なので10着以上作るにはそれなりに時間がかかります。
ちなみに、このドレスデコ用のサテンドレス、1年間で80着以上を作りました。

最初にこの型紙を作るまでには試行錯誤もしています。
乗せてもらうデコパーツもだんだん増えてきました。
これまでの蓄積+実働3日間で用意して、さらに1日かけて販売しての収益9,000円です。
1日あたり2,250円。1日5時間だと時給450円です。

キセカエヤが手間かけている割に単価安いからじゃないかというツッコミもあります。
じゃあ、1着1,500円に値上げしたらどうなるか?
自分が親だとして、ハンドクラフトが大集合しているイベントに来れば1回にかけられる予算ってあると思います。
単独開催しているわけではないので、子どもがいくつかワークショップ体験する時の予算を考えると1回1,000円以内にしたいところ。周りも数百円の体験ワークショップが多いですしね。

また、これは最高売上の日を元に書いています。6月のSamsaraは年に1度の大きなイベントで、出店者も多く、お客様も多い日です。
毎週平日開催のヒロロdeサンサーラだと、お客様が来なかったり、1~2人だったりすることもしばしば。そうすると完全に赤字ですね。
売れた日と売れなかった日を平均してみると、経費とトントンで手間賃は出ていないかなと思います。
他の出店者さんと話した時も「手間賃まではとてもとても~」という声が多いです。

では、ヤフオク!ならどうなの?

イベントではあまり単価を上げられないとして、ネット販売ならどうでしょうか?

たとえば、ヤフオク!でオークションに出す場合。

ヤフオク!に出品する為には、Yahoo!プレミアムへの登録が必要です。
プレミアム会員費は月額410円(税込)、システム利用料は送料が落札者(買った人)負担の場合54円~落札価格の5.40%(税込)です。

もし、スタート価格1,000円のハンドメイド品を販売した場合、1,000円-410円-54円=536円が手元に残ります。
月に1点だけ売れた場合ですから、数点売れば、410円の部分は割安になりますね。
1,000円の作品3点が売れた場合、3,000円-410円-162円=2,428円です。

材料の仕入れ、製作、出品の写真と文章を入力して、落札者への連絡をして、梱包・発送しての収益です。
もちろん、複数の落札者が入札して競り合いになってれば、利益は増えます。

わたしは、出品の為に製作したことはありませんが、自分用に作っていたハンドメイドの人形服を中古扱いでまとめ売りしたことや、中古の人形をクリーニングして売ったことはあります。
どちらも原価よりは高く売れていますが、出品と落札時の連絡の手間がかかるので、あまり稼ぎになる気はしませんでした。
このへんは、オークション慣れしている人や業者に委託する方が、製作に集中できるかもしれません。

minne(ミンネ)ならどうなの?

ネット上のハンドメイドマーケットも多数あります。
ここでは大手の1つGMOペパボが運営する「minne(ミンネ)」で試算してみます。

こちらは、登録・会費無料です。
作品が購入された時に手数料として作品価格の10.8%(税込)が引かれます。
お金のやりとりはminneを仲介する形になり、月末締めの翌月末払いになります。その際に振込手数料172円が引かれます。
送料は購入者負担となり、その分も合わせて翌月末に振り込まれます。

1,000円の作品3点が売れた場合、3,000円-324円-172円=2,504円になります。

月会費がかからないことや、購入者と直接のやりとりをする手間が少ないことを思うと、なかなか敷居が低いシステムですね。さすが作家登録数14万名
銀行振込、クレジット、代引き、コンビニ決済にも対応しています。

実は、わたしも登録はずっと前からしているのですが、まだ出品や購入をしたことがありません。
毎日メルマガが送られてくるので、作品写真やランキングを眺めて満足してしまっています。
地元のイベントではなかなか出せない、大人のドールファン向けのドレスセットとか出してみようかな…。

ハンドメイドマーケットは他にも「tetote(テトテ)」、「Creema (クリーマ)」などが、ビギナーから参加できそうです。
自分のジャンルを探して、どのような作家が、どれくらいの価格で作品を販売しているのかを見るのも参考になります。

ブランド力をつけて自サイト販売も

ヤフオク!が大きなフリーマーケット、minneがショッピングモールだとすれば、自分で運営するネットショップで直接販売するのは小さな個人商店です。
今は、STORES.jpBASEなど、簡単にネットショップを無料で開けるサービスがあります。
クレジット決済など使うと、その決済・振込手数料がかかる感じですね。

無料ホームページ作成サービスJimdoもショッピングカート機能があります。

まずはハンドメイドに関心の高い人が集まるマーケットで売り始めて認知度を上げてから、自分のネットショップで販売できるようになると、自由がききそうです。その分、やることも増えますが。

いずれにしても、ブログやFacebook、twitter、InstagramなどSNSで発信することは重要です。
作品を買いたくなるような写真、コピー、ストーリーをつけて、共感を呼ぶことですね。
誰でもネットで販売できるということは、どこの誰でも競合相手になるということになります。
たとえば、津軽こぎん刺しは、全国に人気が広がり、青森県出身者ではない都市部の作家さんも多くいます。minneの検索フォームに「こぎん刺し」と入れるとたくさん出てきます。
全国の作品たちと同じ土俵に乗った時に、どう勝負するか?
価格を下げるばかりでは消耗する一方です。
売れている作家さんの写真やコピー、ブログでの文章などを参考に、自分ならどういう方向で、誰に向けてアピールしていくのかを考えて、実際に試行錯誤していく。
考えてばかりじゃ先に進めないですからね。

結論:売れる人は稼げる

身も蓋もない結論ですが、ハンドメイドで稼げるの?という疑問については、
「売れる人は稼げる」と答えます。
ネットサービスが充実したり、気軽に参加できるイベントが増えたことで、売ることは誰でもできる。でも、稼げるのは実際に作品が売れる人。

稼げると言っても、普通にお勤めして給与をもらい続ける収入に比べれば、不安定だし、トレンドは変わるし、常にスキルや売り方を上げていく必要があるし、1人分食べて行く収入を稼ぎ続けるのは簡単ではない。
職業としている人は、製作・販売だけではなく、教室、コンサルティング、出版などもしています。

それでも、これだけハンドメイドの人気が高いのは、やっぱり作ることが好きだから。
自分が作ったものを喜んでくれる人がいることがうれしいから。

稼ぐために始めると辛くなりそうですが、ちょっとでも収益になる趣味として始めるなら今回紹介したサービスもおすすめです。
キセカエヤも1年でだいぶ発信してきたので、そろそろネット販売もやってみようかと考えています。

もし、ハンドメイド作品をネットで売ってみたいけど、パソコン苦手だし自分にできるか不安で…という方がいたら、いっしょに始めてみませんか?

▼minneの本が出ます




▼ハンドメイドに限らず、自力で収入を得ていく人の参考書



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