ホ・オポノポノはキャラじゃなかった話し

イケダハヤトさんのこの記事を読んで、フラッシュバックのように思い出したこと。

参考リンク>「置かれた場所で咲きなさい」?それ、過労死する考え方ですよ : まだ東京で消耗してるの?

ホ・オポノポノはキャラじゃない。

前の会社で出産を理由に雇い留めをくらいかけた時に、手に取った本とその葛藤についてです。

ホ・オポノポノって?

2008年にこちらの本が日本で出版されてブームになったスピリチュアル系な考え方。

「ありがとう。ごめんなさい。許してください。愛しています」たったそれだけの言葉で、誰にでも、いますぐに、簡単にあらゆる問題が解決できる奇跡の秘法「ホ・オポノポノ」。
ハワイの州宝だったモナ・ナラマク・シメオナから伝統ヒーリングの伝承を受け継いで体系化した「セルフ・アイデンティティ・ホ・オポノポノ」を継承者のヒューレン博士自身が初めて語る。
もしわたしたちの人生がうまくいっていないなら、それは過去の記憶が現在に反映されているから。わたしたちの潜在意識に1秒間に100万個も立ち上がってくる記憶をクリーニングしてゼロの地点に立つことができれば、聖なる知能がわたしたちに降りてくる。自由で、豊かな人生を約束する「ホ・オポノポノ」のすべてがここに。
(Amazon商品説明文より引用)

産休に入る2日前に雇い留めを言い渡されました

過去の日記ブログより引用。

急転直下。: Alternative Note

半年近くも産休育休の返答を先伸ばしにしてきた会社が、やっと今日手続きだといってきた。 それが、今ある有休消化したら後は欠勤扱いで、契約期間が終わる12月末で切る形になるとの事。 社則に書いてある育休制度の条項は何なんだろ?
あと2日しか出勤しない今になっての通告。
ちょっとあんまりじゃないだろうか。
これから少々もめますよ? ……面倒だなあ。

妊娠までに6年半勤めていた会社です。
妊娠がわかった時に上司に相談して、返事がなかなかもらえないので、総務人事に直接相談して産育休の約束をいただいていました。

いざ妊娠9ヵ月過ぎてあと2日で産休に入るという時期に、突然言い渡された契約打ち切り。

「会社としては働けない人を雇うことにメリットがないんですよ」
と初めて会った担当者に真っ向から言われました。

話しが違うと食い下がっても、いつ誰がそんな約束をしたのかと言われるばかりで。
契約書にサインをせず、1度引き下がりました。

さすがに帰り道に泣きましたね。

「ありがとう。ごめんなさい。許してください。愛しています」の言葉で世界が変わる?

その時に、書店で平積みになっていて手に取ったのが、ホ・オポノポノの本でした。

「ありがとう。ごめんなさい。許してください。愛しています」

この4つの言葉を繰り返し唱えることで、クリーニングがされていき、自分も周りも変わっていくのだそうです。

今わたしに起きている悪いことは、すべて自分の魂の反映なのだそうです。

この、産休切りはわたしが「引き寄せ」た結果なのだろうか…?

すべてを許して、感謝して、愛すればいいのだろうか…?

こんなひどいことをする会社のことは、すっぱり忘れて、ひたすら自分の心と体を大切にして穏やかな出産を迎えるようにすればいいのだろうか…?

自分が悪いような気がして、ぐるぐるしました。

そんなことを夫に相談した結果……

「うん、でもそれ、あなたのキャラじゃないよね」

……
………
……………その通りだよ。

もうお腹の中の子は耳も聞こえるようになっているというじゃないか。

あんな言葉をかけられて、そのまま泣き寝入りをするハハで、どうしてこの子を迎えられようか!

と、燃え上がる性格でした。夫、さすがに長いつきあいです。

労働局へ駆け込み逆転

そして、周りの人に相談をして、翌日、北海道の労働局に駆け込みました。
いくつかアドバイスをいただいてからの最終出勤日の面談で、状況は逆転します。

逆転勝訴。: Alternative Note
先週、急に雇用契約解除を言ってきた会社。今日が最後の出勤。
公の機関に相談してきたことを告げてからの面談で、何か風向きが変わった。
これまでの経緯や、わたしの気持ちも聞いて、仕事が終わる迄には返答します、との事。
結果、今後の契約を継続することと、産休と育休も認められた。
ただし、わたしの側もいくつか条件は呑んでいるけれど、それはまぁ些少な事。
最後は笑顔でお別れできて、周りの仲間たちも祝福してくれた。

たぶん、彼らは出産間近のわたしが即座にそこまでやるとは思っていなかったのでしょう。

そして、バタバタしていた時に、わたしを採用時から長年見ていてくれたワーキングマザーの上司が異変に気づき、首の皮をつなげてくれました。

さすがに今は変わっているでしょうが、正社員以外の契約従業員が産育休を取る初めてのケースとなりました。

ちなみに、社会保険は妊娠時にシフトを減らした際に脱けたので、会社にとっても手間以上のデメリットはありませんでした。

産休は無収入ですが、育休中は雇用保険から月額の3割だったか出ていて、復帰して半年後に2割分が出ました。

今は育休中に最初から5割もらえるんでしたっけ。

10月中旬に産休入り、11月下旬出産で、翌4月1日から保育園に預けて復職。5ヵ月半ほどの産育休でした。

そして、それから3年近く、夫のUターンで弘前に移住するまで、その会社に勤めていました。

すべてを愛して謝るのも、置かれた場所で咲くのも、キャラ次第

身も蓋もない言葉ですが、夫の「キャラじゃない」発言は図星でした。

あの時、そんな会社に見切りをつけて離れた方がよかったのかもしれません。

「ありがとう。ごめんなさい。許してください。愛しています」とつぶやき続けて、魂の浄化をすることで、別の展開がおこったのかもしれません。

でも…。


バーチャルちゃぶ台返し

バーチャルちゃぶ台返し


どんな論理であっても、その人にとって合う・合わないはあるのです。

世間で流行っているとか、正統派で歴史があるとか、大多数に支持されているとか、そんな背景があっても、自分に合うかどうかは自分で選べばいい。

自分のキャラかどうか、というのは、軽いようで案外現実的な選択方法ではないでしょうか。

わたしは闘うキャラだったのです。

もし、あのまま雇い止めを受け入れて、出産して、0歳児を抱えながら新しい職場を探すことになっていたら…。

たぶん、自分で自分の価値を落としたままでは再就職先も見つからず、家計も成り立たず、育児ノイローゼまっしぐらだったことでしょう。

あの時に踏みとどまって声を上げたこと、その結果、それまでの働きを評価してくれていた人がすくいあげてくれたことが、復帰後の仕事と育児の両立で辛かった時も、乗り越える力になりました。

スピリチュアルの世界に傾倒する人を非難するつもりはありません。

ただ、自分にはキャラじゃなかったし、その論理をすべての人に当てはめようとしてこなければ、それぞれの世界で幸せになっていられていいんじゃない?

そんな風に思っています。


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