『2016年』第5回こぎんフェス開幕、もはやため息しか出ない手仕事を見た

こぎんフェス会場に並ぶ古作こぎんの着物

こぎんフェス会場に並ぶ古作こぎんの着物


今年もGWに合わせてこぎんフェスが始まりました。

津軽地方のていねいで根気強さがうかがえる伝統のこぎん刺しと、若い作家たちの「日常に似合う」こぎん刺し、どちらもその細やかさを堪能してきました。

こぎんフェスは、弘前駅前ヒロロ4階ホールで4月29日~5月1日の3日間開催されます。入場無料です。

この時期に観光に来られた方、ヒロロに遊びや買い物に行く地元の方、ちょっと見るだけでもため息が出ることうけあいですよ。

ちょっと、展示の一部をご紹介します。


「これ、全部手で刺しているんだぜ…」ってつぶやきたくなる



この手前の着物の柄を一部拡大してみましょう。



わかるでしょうか。
ここだけ違う織物を使っているのではなく、向こうのクリーム色の壁が透けて見えるような麻布に、木綿の糸を刺して「穴埋め」しているんですよ。

昔は庶民が綿の着物を着ることが許されておらず、でも綿糸は使えたから防寒と補強のためにびっしり刺したとか。
いや、それにしても津軽の冬を、暖房設備も今ほどない環境で、この着物でよく生き延びていたものです。

ずらりと並んだ古作こぎんの着物に、それぞれ地方の名前が書かれています。
同じこぎん刺しという名前でも、地域ごとに模様の特徴が違ったのですね。

色とりどりの現代のこぎん刺し

ひるがえって、現代のこぎん刺しは青森県だけではなく、全国各地にこぎん刺し作家がうまれるほど「おしゃれ、かわいい、ほっこり」と人気です。

糸も生地も工夫して染められていたり、とにかくカラフルです。

SWALLOWTAIL



スタバdeこぎん、サンサーラでお世話になりつつ、お人形友達でもあるSWALLOWTAILさんのブース。
トレードマークのユニオンジャックは、ロックボーカリストでもある内本明美さんならでは。
というか、本人も含めて展示です?

Facebookページに「いいね!」すると、素敵な草木染め糸がもらえます。
わたしのは上から蘇芳(ブドウ)、柿渋、ばっけ(フキノトウ)で染められた糸でした。ありがとう!



kogin*bear style



kogin*bear styleさんのブースは、小さいかわいいお人形好きにはたまらん!
毎年見ていたのですが、今回初めてお話しさせてもらいました。

はぁ、どれかリカちゃんの部屋にお迎えしたい…。

【追記】2日目にお迎えしてきました。リカちゃんに和ゴス衣装作りたい。


1chi


1chiさんのブース

1chiさんのブース


カラフルに染めた糸や生地を使う1chiさんのブース。
段染の色糸が大好きなので、たくさん買いたくなります…。
ファンタジー感あるパッケージもステキ。


MOZE


MOZEさんのブース

MOZEさんのブース

昨夏「ゼルコーバの休日」でワークショップ体験させていただいたMOZEさん。
「リカちゃん連れて遊びにきてね」というお言葉通りにこぎん刺しドレスを着せて行ったら、本当にブースの中に入れていただきました。
背後のカゴバッグの内布は、青森第一高等養護学校の生徒さんが織った布に刺したコラボ作品。
他にも、大島紬を裏地に使った財布や草木染めなどこだわりの作品が並んでいます。(29日のみ参加)


朝小布(annkogin)



女の子の好きなものをギュッと詰めたような朝小布annkoginさんのブース。
こぎんリボンがレース模様になっているのとか、本当にキュンキュン来ます。


あれもこぎん、これもこぎん


展示作品も、それぞれバリエーション豊かです。

これ、書いてあるようにしか見えませんが、総刺しで描かれた「書」です。刺してます。


こぎん刺しで「書」

こぎん刺しで「書」


こぎんフェスのFacebookページにもたくさん写真が掲載されていますので、1日までに弘前に来られない方はこちらをどうぞ。

りんご飴マンも来てたそうです。

共食いになるのでは…。

わたしのこぎん刺しデビューは3年前のこぎんフェス

昨年はスタバdeこぎんを楽しむ集いを開いたり、キセカエヤとしてリカちゃんサイズのこぎん刺しドレスを展示したりしましたが、そもそものこぎん刺しとの出会いは2013年のこぎんフェス(第2回)でした。

ここで、こぎん体験ワークショップに参加して、すっかりはまったのです。
それまで刺しゅうには無縁だったのですけれど。

前ブログに書いています>ねぷたばやしとこぎん刺し。: Alternative Note

今年も体験ワークショップが開催されていて、そのスペースでは一心に図案と針先を見つめながら刺している方々が見えました。

当日も余裕があれば参加できるようです。手ぶらでOKなので、興味がある方はぜひチクチクしてみてください。


他にもこぎん刺しイベントがたくさんの2日間!

こぎんフェスだけでもすごいボリュームですが、他にもこの期間に津軽こぎん刺しが見られるイベントあります。

街ナカゼミの会場にもなる紙漉町の集会所インドリヤでは、三つ豆さんのこぎん刺し教室による「こぎんの森」が4月30日~5月1日。 >こぎんの森

弘前市民の手づくり品が文化センターに集まるアートマルシェ(4月30日~5月1日)には、スタバdeこぎんにも参加していただいているさしぼぅさんあさ吉さん5月1日のみ出店します。

他にも、城東のCASAICO(カサイコ)にて夏次郎商店のこぎん刺しが5月1日までとか。

30日と1日は、こぎん刺しめぐりをするだけでも、半日かかりそうですね。

こぎんの聖地・弘前にて、この細やかさを生で見ていってください。

スタバdeこぎんのメンバーも「初めてのこぎん刺し」からずいぶん作品を作った方もいるし、いつか展示などしてみたいなぁ……なんて、妄想たくましくしています。